1988年度 宅建士試験 問10
正解:2
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解です。民法上、売買契約の目的物が第三者の所有物である場合(他人物売買)であっても、その契約は有効に成立します(民法555条、561条)。「契約が無効になる」という点が誤りです。したがって、売主Aは直ちに受領した手付金を返還する義務を負うわけではなく、まずは所有者Cから権利を取得して買主Bに移転する義務を負います。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>正解です。売買の目的である権利が他人に属する場合、売主がその権利を取得して買主に移転できないときは、買主は契約の解除や代金減額請求ができます。しかし、損害賠償請求については、債務不履行の一般原則に従います。買主Bが契約時点で「権利が他人に属すること」を知っていた(悪意)場合、売主が権利移転できないことは契約の内容(合意の範囲内)におけるリスクとして想定されているため、特段の事情がない限り、売主AはBに対して損害賠償義務を負いません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>不正解です。売主が「担保責任(契約不適合責任)を負わない」という特約をした場合でも、売主が「知りながら買主に告げなかった事実」については、その責任を免れることができません(民法572条)。「どのような瑕疵についても責任を負うことはない」という点が誤りです。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>不正解です。買い受けた不動産に抵当権の登記がある場合、買主は抵当権消滅請求の手続が終わるまで代金の支払を拒むことができます(民法577条1項)。また、権利を失うおそれがあるときは代金の支払を拒めますが、売主が「相当の担保」を供したときは、支払を拒むことができません(民法576条但書)。本肢は「登記が抹消されるまで(例外なく)義務はない」としている点が不適切です。</p>
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