1988年度 宅建士試験 問2
代理に関する次の記述のうち, 民法の規定によれば, 正しいものはどれか。
1法定代理人は, 本人の許可や特別の理由がなくても, 自らの責任をもって, 復代理人を選任することができる。
2権限の定めのない代理人は, 保存行為に限り行うことができる。
3代理権は, 本人又は代理人の死亡のときにのみ消滅する。
4代理権が消滅した後の代理人のした行為は, すべて無効である。
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。民法第105条において「法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる」と規定されています。法定代理人は本人の意思に関わらず法律によって代理権を与えられているため、任意代理人(104条)とは異なり、本人の許諾や「やむを得ない事由」がなくても、自らの責任においていつでも復代理人を選任することが可能です。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。民法第103条によると、権限の定めのない代理人は「保存行為」だけでなく、「代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為」も行うことができます。「保存行為に限り」とする本肢の記述は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。代理権の消滅事由は、本人または代理人の死亡だけではありません。民法第111条により、代理人が「破産手続開始の決定」を受けた場合や「後見開始の審判」を受けた場合も消滅事由に含まれます。また、任意代理(委任による代理権)の場合は、委任の終了によっても消滅するため、「死亡のときにのみ」とする点は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。代理権が消滅した後の行為であっても、民法第112条に規定される「代理権消滅後の表見代理」が成立する場合があります。相手方が、代理権の消滅について善意かつ無過失であるときは、その行為について本人が責任を負うことになります(有効な代理行為と同様の扱いとなる)。したがって、「すべて無効」とする記述は誤りです。</p>
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