1988年度 宅建士試験 問4
委任に関する次の記述のうち, 民法の規定によれば, 正しいものはどれか。
1受任者は, 原則として委任者に対し定期的に委任事務処理の状況を報告しなければならない。
2受任者は, 報酬を受ける特約のないときは, 自己の事務処理におけると同程度の注意義務で足り, 善良な管理者としての注意義務までは負わない。
3委任は, 原則として各当事者がいつでもこれを解除することができる。
4委任は, 当事者の死亡又は破産による場合に限り当然に終了する。
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>誤り。民法645条によれば、受任者は「委任者の請求があるとき」に、いつでも委任事務の処理の状況を報告する義務を負います。また、委任が終了した後は遅滞なくその経過及び結果を報告しなければなりませんが、本肢のように「原則として定期的に」報告しなければならないという規定はありません。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。民法644条によれば、受任者は報酬を受ける特約の有無にかかわらず、委任の本旨に従い「善良な管理者の注意をもって(善管注意義務)」、委任事務を処理する義務を負います。「自己の事務におけるのと同一の注意義務」で足りるわけではありません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正しい。民法651条1項によれば、委任は各当事者が「いつでも」その解除をすることができます。委任契約は当事者間の強い信頼関係を基礎とするものであるため、その信頼が失われればいつでも解除できるものとされています。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。民法653条によれば、委任は「当事者の死亡」や「当事者の破産手続開始の決定」以外にも、「受任者が後見開始の審判を受けたこと」によっても終了します。したがって、「死亡又は破産による場合に限り」という記述は誤りです。</p>
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