1988年度 宅建士試験 問8
相続に関する次の記述のうち, 民法の規定によれば, 正しいものはどれか。
1被相続人の甥は, 常に相続人となることはない。
2遺留分は, すべて被相続人の財産の 1/2 である。
3遺留分を侵害した遺言は, すべて無効である。
4相続の開始前においては, 遺留分の放棄はできる場合があるが, 相続の放棄は常にできない。
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>誤り。被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合において、その兄弟姉妹が相続開始以前に死亡しているなどの事情があるときは、その子(被相続人から見た甥・姪)が代襲して相続人となります(民法889条2項、887条2項)。したがって、甥が相続人になる可能性はあるため、「常に相続人となることはない」とする本肢は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。遺留分の割合は、原則として被相続人の財産の2分の1ですが、直系尊属(父母や祖父母など)のみが相続人である場合に限り、財産の3分の1となります(民法1042条1項)。「すべて1/2」とは限らないため、本肢は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。遺留分を侵害した遺言であっても、当然に無効になるわけではありません。遺留分を侵害された相続人は、受遺者や受贈者に対して「遺留分侵害額に相当する金銭の支払」を請求できる権利(遺留分侵害額請求権)を有するにとどまります(民法1046条1項)。遺言そのものの効力は否定されないため、本肢は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正しい。相続の開始前(被相続人の生前)における「遺留分の放棄」は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生じます(民法1049条1項)。これに対し、「相続の放棄」は相続開始後に家庭裁判所へ申述する必要があり、相続開始前に行うことは認められていません。したがって、本肢の記述は正しいです。</p>
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