1989年度 宅建士試験 問11
正解:3
解説
正解は3。本問は法定相続分の計算問題で、相続放棄・代襲相続・非嫡出子の相続分が論点となる。
まず相続人を確定する。子Aは相続を放棄したため、民法第939条により「初めから相続人とならなかったもの」とみなされる。相続放棄は代襲原因ではないため、Aの子aが代襲相続人になることもない。子Bは相続開始前に死亡しているため、その子bが代襲相続人となる(民法第887条第2項)。したがって相続人は、配偶者Y・Bの代襲相続人b・非嫡出子Cの3名である。
配偶者Yの相続分は2分の1=4,500万円(民法第900条第1号)。残りの2分の1(4,500万円)を、子の地位にあるbとCで分ける。
1 誤り。配偶者と子が相続人の場合、配偶者の相続分は2分の1(4,500万円)であり、6,000万円(3分の2)ではない。3分の2となるのは配偶者と直系尊属が相続人の場合である。また非嫡出子Cも相続人であり、Cが単独で3,000万円を取得するわけでもない。
2 誤り。bのほかに非嫡出子Cも相続人となるため、bが残りの2分の1(4,500万円)を独占することはない。
3 正しい(出題当時の民法による)。出題当時の民法第900条第4号ただし書では、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1とされていた。b(嫡出子Bの代襲)とCの相続分の比は2:1となり、4,500万円を2:1で分けてbが3,000万円、Cが1,500万円となる。
4 誤り。相続放棄は代襲原因ではない(民法第887条第2項は死亡・欠格・廃除に限る)ため、Aの子aは代襲相続人にならず、相続分を取得しない。
【法改正に関する補足】本問の正解(選択肢3)は、出題当時(平成元年)の民法第900条第4号ただし書(非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする規定)を前提とした計算である。しかし、平成25年(2013年)9月4日の最高裁判所大法廷決定により同ただし書は憲法第14条に違反するとされ、同年12月の民法改正で当該規定は削除された。現行法では非嫡出子の相続分は嫡出子と同等である。
したがって現行法を前提とすると、bとCは残りの2分の1(4,500万円)を1:1で分け、それぞれ2,250万円を取得することになり、選択肢1〜4のいずれにも合致しない(現行法では正解肢が存在しない過去問となっている)。本問は法改正前の知識を問う過去問であるため、学習上は「現在は非嫡出子も嫡出子と同じ相続分である」という改正後のルールを正確に押さえておくこと。
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