1989年度 宅建士試験 問15
不動産登記に関する次の記述のうち, 誤っているものはどれか。
1同一の登記所の管轄に属する数個の不動産に関する登記を申請する場合, 登記原因及び登記の目的が同一であるときに限り, 同一の申請書で登記を申請することができる。
2建物が滅失したときは, 表題部に記載された所有者又は所有権の登記名義人は, 1ヵ月以内に建物の滅失の登記を申請しなければならない。
3所有権の登記名義人が登記義務者として登記を申請する場合に提出する印鑑証明書は, その作成後6ヵ月以内のものでなければならない。
4不動産の権利に関する登記の申請は, 登記権利者及び登記義務者又はその代理人が登記所に出頭してしなければならないが, 不動産の表示に関する登記の申請は, 登記所に出頭しなくてもすることができる。
正解:3
法改正ポイント — 答えが「変わった」重要問題
出題当時(1989年)
肢3 が正解 ✓
現在(本試験の法令)
肢3(結論は同じ)
2005-03-07 不動産登記法全部改正(平成16年法律第123号・2005年3月7日施行)
何が変わった:旧不動産登記法(明治32年法律第24号)第18条では、権利に関する登記の申請は登記権利者・登記義務者またはその代理人が登記所に「出頭」して行わなければならない(出頭主義)とされていたが、表示に関する登記は出頭義務が相対的に緩やかだった。2005年3月7日施行の新不動産登記法(第18条)により出頭主義が廃止され、権利登記・表示登記のいずれも、オンライン申請または書面郵送申請が可能となり、登記所への出頭は不要となった。
この問題への影響:正解番号3は不変(印鑑証明書の有効期間を「6ヶ月以内」とする肢3は現行法でも誤り、現行不動産登記規則第16条第3項により正しくは「3ヶ月以内」)。ただし肢d(選択肢4)の内容が変化した:1989年当時は「権利に関する登記は出頭必須・表示に関する登記は出頭不要」という差異が正しい記述だったが、現行法では権利登記も出頭不要となり、肢dの前半「登記所に出頭してしなければならない」は現行法と矛盾する。本問は旧法時代の問題として、肢4は「当時は正しかったが現行法では実情が変わった」選択肢である点を注記すべき。
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解説
正しい。不動産登記規則第4条により、同一の登記所の管轄内にある複数の不動産について、登記原因(売買など)および登記の目的(所有権移転など)が同一である場合には、一つの申請情報(申請書)で一括して申請することができます。これを「一括申請」と呼びます。
正しい。不動産登記法第57条により、建物が滅失したときは、表題部所有者または所有権の登記名義人は、その滅失の日から1ヶ月以内に、当該建物の滅失の登記を申請しなければなりません。これは不動産の物理的状況を正確に公示するための義務であり、土地の滅失登記(法第42条)と同様の規定です。
誤り。本肢がこの問題の正解(誤っている記述)です。登記申請において登記義務者が提出する印鑑証明書は、その作成後「3ヶ月以内」のものでなければならないと規定されています(不動産登記規則第16条3項)。選択肢の「6ヶ月以内」という記述は、不動産登記のルールとしては誤りです。
正しい。不動産登記法第18条により、現在では「出頭主義(登記所に直接行くこと)」が廃止されています。そのため、表示に関する登記・権利に関する登記のいずれも、オンライン申請や郵送申請が可能であり、必ずしも登記所に出頭する必要はありません。本肢は「出頭しなくてもすることができる」と述べており、現行法に適合しています。
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