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権利関係

1989年度 宅建士試験 問8

請負契約うけおいけいやくにおける請負人うけおいにん担保責任たんぽせきにんかんするつぎ記述きじゅつのうち,民法みんぽう規定きていおよ判例はんれいによれば,ただしいものはどれか。
1完成した目的物に瑕疵があり,請負人が修補義務を負う場合において,その修補が可能なものであっても,注文者は,瑕疵の修補に代えて,直ちに損害賠償の請求をすることができる。
2完成した目的物に契約をした目的を達することができない重大な瑕疵があるときは,注文者は,瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることはできないが,契約を解除することができる。
3完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において,その物が引渡しを受けてから3年目に瑕疵により毀損したときは,注文者は,その時から2年以内に修補又は損害賠償の請求をすることができる。
4完成した目的物が建物その他土地の工作物である場合において,その物に契約をした目的を達することができない重大な瑕疵があるときは,注文者は,契約の解除をすることができる。

正解:1

解説

<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。判例(最判昭54.12.13)によれば、請負の目的物に瑕疵(契約不適合)があり、修補が可能である場合でも、注文者は修補の請求をせずに、直ちに修補に代わる損害賠償を請求することができるとされています。改正民法下においても、契約不適合は債務不履行の一種であるため、民法第415条に基づき、追完(修補)を待たずに損害賠償を請求することが可能です。</p>

<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。仕事の目的物に契約の目的を達成できないほどの重大な不適合がある場合、注文者は「契約の解除」だけでなく、「履行の追完請求(瑕疵の修補)」や「損害賠償の請求」も当然に行うことができます。本肢はこれらを「することができない」としている点が誤りです。</p>

<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。民法第637条第1項により、請負人が種類または品質に関して契約の内容に適合しない目的物を引き渡した場合、注文者がその「不適合を知った時から1年以内」にその旨を請負人に通知しなければ、担保責任を追及することができません。本肢の「毀損した時(知った時)から2年以内」という期間設定は、この規定に反するため誤りです。</p>

<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。旧民法第635条但書においては、建物その他の土地の工作物については、完成後の解除による社会経済的な損失が大きすぎるため、重大な瑕疵があっても契約を解除できないと規定されていました。改正民法ではこの但書が削除されたため、現在は工作物であっても解除が可能となりましたが、本問が正解を「1」としている点に鑑みると、依然として工作物の解除を制限していた旧法の規定や、建物の存続を重視する法理に基づき誤りと判定されます。</p>

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