1990年度 宅建士試験 問12
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>この選択肢は正しい記述です。民法第616条の2(および改正前の通説)によれば、賃貸借の目的物である建物が、第三者の放火などの不可抗力によって全部滅失し、使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借契約は当然に終了します。これは、賃貸人の「使用させる義務」と賃借人の「賃料を支払う義務」の前提となる目的物が存在しなくなるためです。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>この選択肢は、本問の正解が「3」であることから、消去法的に正しい記述として扱われます。ただし、2020年の民法改正により、民法第604条で定められる賃貸借の存続期間の上限は「20年」から「50年」に延長されました。本問のような古い過去問においては、当時の民法(上限20年)に基づき正しい記述とされていましたが、現行法下では「50年」と読み替えて理解する必要があります。いずれにせよ、民法上の賃貸借には存続期間の上限があるという原則を示しています。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>この選択肢が誤り(正解)です。建物の所有を目的とする土地の賃貸借(借地権)において、建物が滅失(失火による焼失を含む)したとしても、借地権(土地を借りる権利)自体が当然に消滅するわけではありません。民法や借地借家法において、建物の滅失を理由に賃貸人が解約の申入れをすることができるという規定はなく、土地の賃貸借契約は存続します。したがって、賃貸人が直ちに解約の申入れをすることはできません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>この選択肢は正しい記述です。問題文に「借地法」とある通り、本肢は1992年(平成4年)に施行される前の「旧借地法」の規定に基づいています。旧借地法第2条第1項によれば、存続期間の定めがない借地契約において、建物が「朽廃(老朽化して自然に壊れること)」したときは、借地権は当然に消滅し、賃貸借は終了するとされていました。現在の借地借家法では「朽廃」による終了規定は廃止されていますが、旧法が適用される契約(旧法上の借地権)においては現在もこのルールが適用されます。</p>
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