1990年度 宅建士試験 問4
正解:2
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>選択肢1は正しい記述です。制限行為能力者(この場合は成年被後見人に相当)の規定による取消権は、取引の安全よりも本人の保護が優先されます。そのため、Aが制限行為能力を理由に売買契約を取り消した場合、その取消しは善意無過失の第三者Cに対しても主張することができ、Aは所有権を取り戻すことが可能です。また、意思能力を有していても、家庭裁判所の審判を受けていれば、制限行為能力を理由に取消しが可能です。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>選択肢2は誤った記述であり、本問の正解です。未成年者が法定代理人の同意を得ずに行った契約は、成年に達した後でも取り消すことができます。民法第124条第1項によれば、取り消すことができる行為の追認(確定的に有効にすること)は、取消しの原因となっていた状況が消滅した(成年に達した)後に、取り消すことができることを知って行わなければ効力がありません。つまり、成年に達したからといって即座に取消権が消滅するわけではなく、追認をしない限り、一定期間(追認ができる時から5年間等)は取消しが可能です。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>選択肢3は正しい記述です(出題当時の旧法に基づく)。要素の錯誤による意思表示は、表意者に重大な過失がない限り無効(現行法では取消し)とされます。錯誤による無効・取消しは、原則として誰に対しても主張できるものであり、善意無過失の第三者Cに対しても、Aは所有権を主張することができました。なお、現行民法(2020年改正後)では、錯誤による意思表示は無効ではなく「取消し」となり、その取消しは善意無過失の第三者に対抗できません(第95条4項)。本問は旧法時代の法理に基づく出題です。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>選択肢4は正しい記述です。相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は、当事者間では無効です(民法第94条1項)。しかし、この無効は「善意の第三者」に対抗することができません(同条2項)。本問ではCが「善意(かつ無過失)」であるため、AはBとの間の無効をCに対して主張することができず、結果としてCから所有権を取り戻すことはできません。</p>
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