1990年度 宅建士試験 問8
契約の解除に関する次の記述のうち, 民法の規定によれば, 誤っているものはどれか。
1不動産の売主は, 売買契約と同時にした買戻しの特約によって, 買主が支払った代金及び契約の費用を返還して, その売買契約を解除することができる。
2売主が契約の当時その売却した権利が自己に属しないことを知らない場合において, その権利を取得して買主に移転することができないときは, 売主は, 損害を賠償して契約を解除することができる。
3無償の委任契約においては, 各当事者は, いつでも契約を解除することができ, その解除が相手方のために不利な時期でなければ, その損害を賠償する必要はない。
4請負契約において請負人が仕事を完成しない間は, 請負人は, 損害を賠償して契約を解除することができる。
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。民法第579条によれば、不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金および契約の費用を返還して、売買の解除をすることができます。これを「買戻し」といい、特約によって認められる特殊な解除権の一種です。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>正しい。売主が売却した権利が自己に属しないことを知らない(善意である)場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は損害を賠償して契約を解除することができます。これは他人物売買における善意の売主を保護する趣旨によるものです。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正しい。民法第651条によれば、委任契約は各当事者がいつでも解除することができます。また、相手方に不利な時期に解除した場合などは損害賠償義務を負いますが、逆に言えば、不利な時期でなければ原則として損害賠償をする必要はありません(無償・有償を問いません)。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。民法第641条によれば、請負人が仕事を完成しない間、いつでも損害を賠償して契約を解除することができるのは「注文者」です。「請負人」の側から、損害を賠償して一方的に解除できる旨の規定はありません。したがって、主体が請負人となっている本肢は誤りです。</p>
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