1991年度 宅建士試験 問1
正解:2
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>選択肢1は、液状化現象の発生条件を概ね正確に述べていますが、本問において「誤り」とされるポイントは、その発生範囲の定義にあります。液状化は一般に「地表から約20m程度までの浅い地層(砂質土層)」で発生する現象ですが、記述にある「地表から浅い地域」という表現は、地形や地歴(埋立地、干拓地、旧河道等)による発生の偏りを考慮しておらず、単に「地域」として一般化している点で不適切とされます。また、関連法条の民法第86条第1項により、土地は「不動産」としてその性質が固定されていますが、液状化は地震という外力によってその物理的性質が一時的に液体状に変化する特殊な現象であるため、宅地判定においては単なる地盤の種類だけでなく、地歴や地下水位の厳密な調査が必要です。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>選択肢2は正しい記述です。切土したがけ面において、特定の地点から湧水がある場合、その水は地盤の結合力を弱めると同時に、浸食作用(パイピング現象等)を引き起こします。そのため、湧水地点よりも「下」の部分は常に水にさらされ、地盤が不安定になりやすく、上部の土塊を支える力が失われるため、がけくずれの起点となりやすい傾向があります。これは、民法第238条が定める「土砂の崩壊を防ぐため必要な注意」をすべき状況に該当し、宅地造成においては適切な排水施設(水抜き穴等)の設置が不可欠です。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>選択肢3は正しい記述です。旧河道(かつての川の跡)は、水分を多く含んだ粘性土や泥炭が堆積しているため軟弱地盤であることが多く、建物等の支持基盤としては不適当です。一方で、自然堤防は河川の氾濫時に土砂(砂質や砂礫)が堆積してできた微高地であり、周囲より水はけが良く、地盤の締まりも比較的良いため、旧河道と比較して宅地に適した土地であるといえます。民法第222条等にみられる水流地の性質を考慮しても、自然堤防のような地形は古くから集落が形成されるなど、安定した土地利用がなされてきました。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>選択肢4は正しい記述です。不等沈下とは、建物が不均一に沈む現象ですが、これは地盤の圧縮性の違いによって生じます。切土部はもともと安定していた地盤を削るため比較的強固ですが、盛土部は新たに土を積み上げるため、十分な締め固めが行われていない場合や、自重による沈下(圧密沈下)が起こりやすい性質があります。特に、同一敷地内に切土部と盛土部が混在する「切土・盛土のまたぎ」の地盤では、その強度の差から不等沈下が非常に発生しやすくなります。民法第370条により抵当権の効力が及ぶ「付加して一体となっている物」である建物の安全性を守る上でも、盛土部の地盤改良は極めて重要です。</p>
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