1992年度 宅建士試験 問11
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解です。賃貸人があらかじめ受領を拒絶している場合、賃借人は「弁済の準備をしたことを通知して受領を催告する(口頭の提供)」をすれば、履行遅滞の責任を免れることができます(民法493条ただし書)。さらに判例では、賃貸人が受領を明確に拒んでいる場合、口頭の提供すら不要とされています。したがって、必ずしも「供託」をしなければ履行遅滞になるわけではありません。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>不正解です。賃貸人は借賃増減請求権(借地借家法32条1項)に基づき、将来に向かって家賃の増額を請求できますが、賃借人はその請求を拒んで争うことができます。増額について協議が調わないときは、裁判で確定するまでの間、賃借人は「自ら相当と認める額」の家賃を支払えば足り、直ちに請求された額を支払う義務はありません(同条2項)。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>不正解です。期間の定めがある建物賃貸借において、更新を拒むためには「期間満了の1年前から6月前までの間」に更新拒絶の通知をする必要があります(借地借家法26条1項)。正当事由があることは、この通知をするための要件の1つであり(同法28条)、正当事由があったとしても、通知を怠れば契約は法定更新されます。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正解です。賃貸人の承諾を得た適法な転貸借がある場合、賃貸人と賃借人の合意によって賃貸借契約を解除したとしても、賃貸人はその解除を転借人に対抗することができません(民法613条3項)。したがって、特段の事由(賃借人の債務不履行による解除権が賃貸人に発生していた場合など)がない限り、転借人の権利は消滅しません。</p>
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