1992年度 宅建士試験 問6
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解。抵当権は物権であり、登記が完了していれば第三取得者であるDに対抗することができます。抵当権の実行(競売)にあたって、民法上、第三取得者への「事前通知」を必須とする規定はありません。ただし、民事執行法上の手続きにおいては、競売開始決定が所有者(D)に送達される必要があります。また、関連法条に挙げられている民法第377条は「抵当権の処分(転抵当や譲渡など)」を債務者に対抗するための通知に関する規定であり、本肢のように抵当権者自身が実行する場合の規定ではないため、混同しないよう注意が必要です。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>不正解。民法第389条(一括競売)の規定により、土地に抵当権を設定した後にその土地上に建物が築造された場合、抵当権者は土地と建物を一緒に競売することができます。しかし、同条第1項但書により「その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる」と定められています。したがって、建物の売却代金から優先弁済を受けることはできません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>不正解。民法第567条に基づき、買い受けた不動産に設定されている抵当権の行使(実行)によって買主がその所有権を失ったとき、または買主が費用を支出して所有権を保存したときに、買主は契約を解除することができます。抵当権が設定されていることを知らなかったとしても、現実に抵当権が実行され所有権を失う等の事態が生じる前においては、抵当権が存在することのみを理由に売買契約を解除することはできません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正解。民法第474条第1項により、債務の弁済は第三者も行うことができます。不動産の第三取得者であるDは、抵当権の実行を免れることについて「正当な利益を有する者」に該当するため、債務者Bの意思に反してでも弁済することが可能です(同条第2項)。本肢のように債務者Bおよび債権者Cに反対の意思表示がない場合は、当然にDはBの債務を弁済して抵当権を消滅させることができます。</p>
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