1993年度 宅建士試験 問10
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解です。抵当権者(C)が抵当権を実行(競売の申立て)する際、土地の所有者(B)に対して通知しなければならないという規定は、民法にも借地借家法にも存在しません。競売手続きが開始されれば、裁判所から関係当事者へ通知が行われますが、債権者であるCが個人的に地主Bへ通知する義務はありません。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>不正解です。建物に対する抵当権の効力は、その建物の利用に必要な従たる権利である「土地の賃借権」にも及びます(民法370条の類推適用)。しかし、競売によって建物を取得したからといって、賃借権を「当然に」取得して地主に対抗できるわけではありません。民法612条により、賃借権の譲渡には原則として賃貸人(B)の承諾が必要であり、承諾がない限り、Dは地主Bに対して借地権を主張(対抗)することができません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正解です。民法612条により、賃借権の譲渡(競売による移転も含む)には、土地の所有者(B)の承諾が必要です。Bの承諾が得られない限り、競落人Dは土地の利用権を地主に対抗できないため、土地を不法占拠している状態となります。本肢は、地主の承諾が有効な対抗要件であることを示しており、借地借家法20条による「裁判所の許可(承諾に代わる許可)」を得るという例外的な救済手段を行使しない限り、Bに対抗する手段はないという原則論を述べているため、正しい記述とされます。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>不正解です。借地借家法第14条には、第三者が借地上の建物を取得した際、地主が賃借権の譲渡を承諾しない場合に「建物買取請求権」を認める規定がありますが、これは一般に「競売(競落)」による取得の場合には適用されないと解されています。競落人(D)の救済については、借地借家法第20条に基づき、裁判所に対して「地主の承諾に代わる許可」を申し立てるという特別な手続きが用意されているため、建物買取請求権を行使することはできません。</p>
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