1993年度 宅建士試験 問9
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解:抵当権が設定された後であっても、所有者(抵当権設定者)であるAは、その建物を自由に使用・収益(賃貸)することができます。抵当権は占有を移転しない担保物権であるため(民法369条1項)、賃貸にあたって抵当権者Bの同意を得る必要はありません。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>不正解:抵当権設定登記(B)の後にされた賃借権の登記(C)は、原則として抵当権者に対抗できません。例外的に対抗できるのは、抵当権者全員が同意し、その同意を登記した場合に限られます(民法387条1項)。また、建物の引渡し(借地借家法31条)による対抗力は、引渡し後に現れた第三者に対しては有効ですが、既に登記されている先順位の抵当権者には対抗できません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正解:抵当権設定後に成立した賃貸借は、抵当権者に対抗できないのが原則です。さらに、その賃貸借が抵当権の実行(競売)を妨げるなど、抵当権者に損害を与える場合には、抵当権者は抵当権に基づく妨害排除請求として、賃貸借契約の解除(あるいは占有の排除)を裁判所に求めることができます(判例)。※本肢は旧法下の「短期賃貸借」に関する規定に基づいた内容ですが、現在の判例法理(抵当権に基づく妨害排除)においても、抵当権を侵害する賃貸借の排除は認められています。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>不正解:抵当権に対抗できない賃貸借(後順位の賃貸借)は、たとえ借地借家法上の法定更新がなされたとしても、その対抗力の欠如という性質は変わりません。したがって、抵当権が実行された場合、Cは法定更新をもって抵当権者や買受人に対抗することはできず、原則として建物を明け渡さなければなりません(ただし、民法395条により、買受けの時から6箇月間の明渡し猶予が認められる場合があります)。</p>
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