1994年度 宅建士試験 問6
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。本肢の条項はいわゆる「ローン特約(解除条件付)」に該当します。判例によれば、客観的にローンの不成立が確定した時点で、当事者の特段の意思表示を待たずに契約は当然に終了(失効)するものと解されています。したがって、Aが解除の意思表示をしなくても、契約は効力を失います。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>正しい。民法第557条第1項は、手付解除ができる期限を「相手方が契約の履行に着手するまで」と定めています。本肢では、買主Aは中間金を支払っていますが、解除される側である「売主B」が履行に着手していません。解除する側のAが自ら履行に着手(中間金支払い)していても、相手方Bが着手する前であれば、Aは手付を放棄して契約を解除できます。また、解除に伴う原状回復義務(民法第545条第1項)により、既払の中間金の返還を求めることも可能です。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正しい。本肢は「手付解除(民法第557条)」ではなく「債務不履行による解除(民法第541条等)」のケースです。債務不履行により契約が解除された場合、各当事者は原状回復義務(民法第545条第1項)を負うため、売主Bは受領済みの手付金を一旦Aに返還しなければなりません。一方で、契約に定められた違約金(損害賠償額の予定)の支払い義務は別途発生するため、AはBに対し違約金を支払う義務を負います(実務上は相殺されますが、法理としては手付の返還請求が可能です)。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。民法第420条第1項により、当事者は債務不履行について「損害賠償の額を予定(違約金はこれと推定される:同条3項)」することができます。この場合、債権者は実際の損害額を証明することなく予定額を請求でき、逆に債務者は「実際の損害額が予定額より少ないこと」を証明しても、その減額を求めることはできません。したがって、Aが実際の損害の少なさを立証して違約金の減額を求めることは認められません。</p>
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