1995年度 宅建士試験 問12
次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
1平成7年4月に設定された借地権の存続期間は、当事者間に定めがない場合 には、堅固な建物については30年,非堅固な建物については20年であり、建 物の構造及び種類の定めのないときは、20年となる。
2借地人が定期借地権に基づき建てた家屋を賃貸する場合は、借家人との間で 「賃貸借は,定期借地権の期間満了に伴い家屋を取り壊すこととなる時に終了 し、更新はしない」とする契約を締結することができる。
3事業用借地権は、専ら事業の用に利用される建物の所有を目的としているの で、住宅を建てるために設定することはできないが、住宅賃貸の事業者が賃貸 マンションを建てる場合には、設定することができる。
4平成7年4月において、30年前に締結した借地契約を当事者の合意により更 新する際、「次回の契約の更新については、借地借家法本則の定めるところに従 って行う」旨の特約をしたが,この特約は有効である。
正解:2
法改正ポイント — 答えが「変わった」重要問題
出題当時(1995年)
肢2 が正解 ✓
現在(本試験の法令)
肢2(結論は同じ)
1992-08-01 借地借家法施行・旧借地法廃止(平成4年)
何が変わった:旧借地法では借地権の存続期間を堅固建物(石造・レンガ造等)60年・非堅固建物(木造等)30年と区別していたが、1992年(平成4年)8月施行の借地借家法により旧借地法は廃止され、存続期間は建物の構造に関わらず一律30年(当事者間の定めなし)に統一された。また事業用借地権は2008年(平成20年)改正で「事業用定期借地権」に名称変更され、存続期間が10年以上50年未満(30年以上50年未満の長期型と10年以上30年未満の短期型)に拡張された。
この問題への影響:正解は選択肢2(b)で変動なし。選択肢1(a)が誤りとなる根拠が旧借地法廃止による構造区別の撤廃であり、現行法でも同じ理由で誤り。選択肢3(c)は事業用定期借地権(旧称:事業用借地権)の「居住用建物は対象外」という基本原則が現行法でも維持されているため誤りの結論は不変。選択肢4(d)の旧法借地権への新法特約無効の理論も現行法で同様に適用される。
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解説
誤り。本問の借地権は平成7年4月(借地借家法施行後)に設定されているため、新法が適用されます。借地借家法第3条によれば、借地権の存続期間は建物の構造(堅固・非堅固)に関わらず一律で「30年」とされており、当事者間に期間の定めがない場合も30年となります。旧法のように構造によって存続期間を区別する規定は廃止されています。
正しい。借地借家法第39条第1項によれば、法令又は契約により一定期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了し更新しない旨を定めることができます。定期借地権(一般定期借地権等)の終了に伴い建物を取り壊す必要がある場合、この規定に基づき、借家人との間で「取壊し時に終了し、更新しない」とする契約を締結することが可能です。
誤り。借地借家法第23条第1項において、事業用借地権は「専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)」の所有を目的とするものと規定されています。たとえ住宅賃貸事業者が事業として行う場合であっても、賃貸マンションは「居住の用に供する建物」に該当するため、事業用借地権を設定することはできません。
誤り。平成7年4月において30年前(昭和40年)から継続している借地契約は、旧借地法が適用される「旧法上の借地権」です。旧法上の借地権の更新において、更新後の存続期間を新法(第4条)の規定(初回20年、以降10年)に従うとする特約は、旧法上の更新期間(非堅固建物で20年)よりも短くなる可能性があり、借地人に不利な特約として借地借家法第9条により無効とされます。
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