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権利関係

1995年度 宅建士試験 問3

AのBに対する債権(連帯保証人C)の時効の中断に関する次の記述のう ち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1AがCに対して訴訟により弁済を求めた場合、Bの債務については、時効中 断の効力は生じない。
2AがBに対して訴訟により弁済を求めても、その訴えが却下された場合は, 時効中断の効力は生じない。
3AがBに対して訴訟により弁済を求めた場合、Cの債務についても、時効中 断の効力を生じる。
4BがAに対して債務の承認をした場合、Bが準禁治産者であって,保佐人の 同意を得ていなくても、時効中断の効力を生じる。

正解:1

法改正ポイント — 答えが「変わった」重要問題

出題当時(1995年)

肢1 が正解 ✓

現在(本試験の法令)

肢1 は不正解 ✗

2020-04-01 民法改正(債権法改正)施行・連帯債務の絶対的効力事由の見直し(旧434条「請求」の絶対効廃止、相対的効力の原則化)

何が変わった:旧民法では連帯保証に連帯債務の規定が準用され(旧458条)、連帯債務者の一人に対する履行の請求は他の連帯債務者にも効力を生じるとされていた(旧434条=絶対的効力)。この準用により、連帯保証人に対する履行の請求は主たる債務者にも時効中断効を及ぼしていた。2020年4月1日施行の民法(債権法)改正により連帯債務の絶対的効力事由が整理され、「履行の請求」は原則として相対的効力(現行441条)に改められた。これにより、連帯保証人に対する請求は原則として主たる債務者に効力を及ぼさなくなった。

この問題への影響:出題当時は肢1(a)「連帯保証人Cへの訴訟上の請求は、主債務者Bの債務の時効中断に効力を生じない」が、実際には絶対的効力により中断効が及ぶため誤りとされ、本問(誤っているものはどれか)の正解肢だった。しかし2020年改正後は連帯保証人への請求の効力は原則として相対効となり、肢1の内容はむしろ現行法上正しい記述になる。他の肢(b:訴え却下時は中断効なし=147条1項、c:主債務者への請求は保証人にも及ぶ=457条1項、d:準禁治産者〈現・被保佐人〉の債務承認は保佐人の同意不要=152条2項)はいずれも現行法でも正しい記述のままであり、現行法を前提にこの4肢から「誤っているもの」を選ぶと該当する肢が存在しない。本問は現行法基準では正解が成立しない参考問題として扱う必要があり、grade を invalidated に格上げすることを提案する。

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解説

誤り。本問のような連帯保証の場合、かつての民法(および旧来の判例法理)では、連帯保証人に対する履行の請求は主たる債務者に対しても時効中断の効力を生ずる(絶対的効力)とされていました。そのため、「効力は生じない」とする本肢は誤りです。なお、2020年の民法改正により、現在は連帯保証人への請求は原則として主たる債務者に影響を及ぼさない(相対的効力)とされていますが、本試験問題の正解構成上、誤りの肢として扱われます。

正しい。民法147条1項により、裁判上の請求(訴訟)を行っても、訴えの却下や取下げによって確定判決により権利が確定することなく終了した場合には、時効の更新(中断)の効力は生じません。この場合、終了から6箇月間は時効が完成しない(完成猶予)にとどまります。

正しい。民法457条1項により、主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対してもその効力を生じます。これは保証債務の附従性(主たる債務に付き従う性質)に基づくものであり、連帯保証人に対しても同様の効力を生じます。

正しい。民法152条2項により、時効の「承認」をするには、行為能力の制限を受けていないことを要しません。債務の承認は、権利の処分(売却など)ではなく管理行為に準ずるものとされるため、被保佐人(旧準禁治産者)が保佐人の同意を得ずに行っても有効であり、時効を更新(中断)させる効力を生じます。

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