1997年度 宅建士試験 問10
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>この記述は誤りです。民法第1042条第1項により、遺留分が認められるのは「兄弟姉妹以外の相続人」(配偶者、子、直系尊属)に限定されています。本問において、被相続人Aの弟であるCは兄弟姉妹に該当するため、遺留分は一切認められません(0です)。したがって、Cの遺留分を1/8とする本肢は誤りです。なお、配偶者Bの遺留分は「全体の遺留分1/2 × 法定相続分3/4 = 3/8」となり、計算自体は正しいですが、Cの存在によって全体として誤りとなります。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>この記述は正しいです。遺留分侵害額請求(旧:遺留分の減殺請求)は、必ずしも訴えを提起(裁判)する必要はなく、相手方に対する一方的な意思表示によって行うことができます。実務上は、後日の証拠を残すため、および消滅時効を阻止するために、内容証明郵便による通知で意思表示を行うのが一般的です(最判昭41.3.4)。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>この記述は正しいです。民法第1048条によれば、遺留分の請求権は「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間」行使しないときに時効により消滅します。また「相続開始の時から10年」を経過したときも同様に消滅します。本問では相続開始から9年6箇月が経過していますが、10年以内であり、かつ知った時から1年以内(本肢の「6箇月以内」)であれば、請求権を行使することが可能です。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>この記述は正しいです。相続開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を得ることで効力を生じます(民法第1049条第1項)。しかし、遺留分の放棄は「最低限の取り分を主張する権利」をあらかじめ放棄するだけであり、相続人としての地位そのものを放棄する「相続の放棄」とは異なります。したがって、遺留分を放棄した子Fであっても、Eが死亡した際に遺言がなければ、法定相続人として遺産を相続する権利を失いません。</p>
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