1997年度 宅建士試験 問4
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>誤り。弁済期(返還の時期)を定めないで貸し付けた場合、債権者は「いつでも」返還を請求できるため、時効は債権が発生した時(貸し付けた時)から進行します(民法166条1項)。したがって、「いつまでも時効によって消滅することはない」という記述は誤りです。なお、現在の民法では「権利を行使することができることを知った時から5年間」または「権利を行使することができる時から10年間」のいずれか早い方で時効が完成します。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。確定判決や裁判上の和解などによって確定した権利の消滅時効期間は10年となります(民法169条1項)。しかし、確定の時に「弁済期の到来していない債権」については、この規定は適用されず、その弁済期が到来した時から時効が進行します(民法169条2項)。本肢では「1年後に支払う」という和解であるため、和解成立時ではなく、1年後の弁済期が到来した時から10年の時効期間が進行することになります。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正しい。時効の援用(時効の利益を受けるという意思表示)ができるのは、当事者に限られますが、この「当事者」には、債務者のほか、保証人、物上保証人、第三取得者など、時効の完成によって直接利益を受ける者も含まれます(民法145条)。物上保証人Cは、主債務(Aの債権)が時効で消滅すれば自己の不動産の抵当権も消滅するという直接的な利害関係を有するため、Aの債権の消滅時効を援用して抵当権の抹消を求めることができます。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。他の債権者(D)が開始した強制執行の手続において、抵当権者(A)が債権の届出(配当要求など)を行うことは、時効の完成猶予事由である「催告」としての効力しか持ちません。単に届出をしただけで直ちに時効が更新(リセット)されるわけではなく、その手続の間は時効が完成せず、終了から6ヶ月を経過するまでは時効が完成しないにとどまります(民法148条、150条)。「届出をしただけで中断(更新)する」という記述は誤りです。</p>
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