1997年度 宅建士試験 問6
正解:2
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解です。詐欺による取消し「前」に現れた第三者との関係では、取消しの遡及効が制限される(民法96条3項)という問題になりますが、本肢は取消し「後」に現れた第三者との関係です。判例によれば、取消しによって復帰した物権変動と、取消し後の第三者への売却は、二重譲渡と同様の対抗関係に立つとされます。したがって、AがCに対して所有権を主張するためには、民法177条に基づき、登記を備える必要があります。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>正解です。不動産を共同相続した場合、各相続人は相続開始と同時に、登記がなくても法定相続分に応じた共有持分権を取得します。相続人の一人(D)が勝手に全部を自己名義として登記し、第三者(F)に譲渡した場合、それは自己の持分を超える部分については無権利者による処分となります。判例によれば、他の相続人(E)は、自己の法定相続分については、登記がなくても第三者(F)に対抗できるとされています。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>不正解です。特定遺贈(特定の不動産を遺贈すること)を受けた者(受遺者I)と、生前にその不動産を買い受けていた者(買主H)との関係は、二重譲渡と同様の対抗関係に立つと解されています(民法177条)。したがって、先に登記を備えた方が優先されるため、登記の移転を受けていない買主Hは、既に登記を完了した受遺者Iに対して、所有権を主張することができません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>不正解です。時効完成「前」に現れた第三者に対しては、時効取得者は登記なしに対抗できますが、本肢は時効完成「後」に現れた第三者との関係です。判例によれば、時効完成後に原所有者が第三者に不動産を譲渡し登記を移転した場合、時効取得者(J)と第三者(L)は二重譲渡と同様の対抗関係に立つとされます。したがって、JがLに対して所有権を主張するには、登記が必要です。</p>
同じ論点をもっと解く・AIチューターの解説を見るなら
無料登録してすべての過去問を解く