1997年度 宅建士試験 問7
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>誤り。本来、固定資産税は真実の所有者(本肢ではA)が負担すべきものです。Bが自己に納税義務がないことを知らずにAの公租公判を肩代わりして納税した場合、Aは本来支払うべき税金の支払いを免れるという「利益」を受け、Bは納税額相当の「損失」を被っています。これには「法律上の原因」がないため、BはAに対し、民法703条の不当利得としてその金額の返還を請求することができます。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。公序良俗に反する目的での贈与および登記の移転は「不法原因給付」に該当します。民法708条により、不法な原因のために給付をした者はその返還を請求することができません。判例によれば、この返還請求が否定される結果、目的物の所有権は反射的に給付を受けた者(D)に帰属するとされています。したがって、所有権が引き続きCに帰属するという記述は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正しい。判例(いわゆるブルドーザー事件)によれば、修理者Eが賃借人Gの依頼で修理を行い、Gの無資力(倒産)により修理代金を受け取れない場合において、所有者Fが対価を支払わずにその利益(修理による価値の維持・増大)を享受したときは、Fの受ける利益は「法律上の原因」がないものといえます。したがって、EはFに対し、民法703条に基づき不当利得として修理代金相当額を請求することができます。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。判例によれば、単に税務署からの追及を免れるといった税法上の目的や、債務逃れのために名義を貸し借り(名義信託)して土地を引き渡す行為は、直ちに民法708条の「不法原因給付」には該当しないとされています。したがって、HはIに対し、登記の抹消や土地の返還を求めることが可能です。</p>
同じ論点をもっと解く・AIチューターの解説を見るなら
無料登録してすべての過去問を解く