1998年度 宅建士試験 問5
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>本肢は法定地上権(民法第388条)に関する正しい記述です。土地およびその上の建物が同一の所有者(A)に属する場合において、その土地または建物に抵当権が設定され、競売の結果、所有者が別人(CとD)になったときは、建物について「法定地上権」が成立したものとみなされます。この場合、建物の買受人Cは土地を利用する正当な権原(地上権)を有するため、土地の買受人DはCに対して土地の明渡しを請求することはできません。※設問が「誤っているもの」を問い、正解を1とする場合、本来は「明渡しを請求することができる」と記載されるべき箇所ですが、法理としては本肢の通り法定地上権が成立します。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>本肢は誤りです。以前の民法には「短期賃貸借保護制度」があり、3年以内の建物賃貸借等は抵当権に対抗できましたが、この制度は現在廃止されています。現在は、抵当権設定登記後の賃借人Eは、原則として抵当権者や競落人に対して賃借権を対抗することはできません。抵当権者全員の同意を得てその旨の登記(民法第387条)をしない限り、Eは建物の競落人に対して建物の明渡しを拒めず、認められるのは引渡しについての6ヶ月の猶予期間のみです(民法第395条)。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>本肢は正しい記述です。抵当権者は、自己の抵当権を他の債権の担保とすることができ、これを「転抵当(てんていとう)」と呼びます(民法第376条)。したがって、Bが自己の抵当権を第三者Fの債権のための担保に供することは法律上認められています。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>本肢は誤りです。抵当不動産の第三取得者Gには、自ら競売に参加して競落する(民法第390条)以外にも、所有権を保持する方法があります。具体的には、抵当権者に対して一定の代価を支払って抵当権を消滅させるよう請求する「抵当権消滅請求」(民法第379条)や、債務者に代わって被担保債権を弁済(第三者弁済)することで抵当権を消滅させる方法があります。したがって、「自ら競落する以外に方法はない」とする本肢は不適切です。</p>
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