1998年度 宅建士試験 問9
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>【誤り】民法第550条により、書面によらない贈与は、各当事者がいつでも解除(取消し)をすることができます。ただし、「履行の終わった部分」については解除できません。不動産贈与において「履行の終わった」といえるためには、引渡しまたは所有権移転登記のいずれかが完了している必要があります(判例)。本問では引渡し、登記ともに未了であるため、受贈者Aが第三者Cに建物を売却したとしても、贈与者Bの履行は終わっておらず、Bは依然として本件贈与を取り消すことが可能です。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>【正しい】贈与は、当事者の一方の意思表示と相手方の受諾によって成立する有効な契約です(民法第549条)。特に書面による贈与の場合、贈与者は一方的に解除することができないため、贈与者は受贈者に対して建物を引き渡し、登記を移転する法的義務を負います。したがって、Bが任意に登記に応じない場合、受贈者Aは履行を求めて裁判所に訴えを提起することができます。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>【正しい】贈与者は、原則として贈与の目的物について担保責任(契約不適合責任)を負いません。民法第551条第1項により、贈与者は目的物を「特定した時の状態で引き渡す」ことを約したものと推定されるからです。贈与者がその瑕疵(本問ではしろありの被害)を知っていて受贈者に告げなかった場合などは別ですが、本問のBは被害を知らなかったため、建物の減価分について担保責任を負うことはありません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>【正しい】死因贈与(贈与者の死亡によって効力が生ずる贈与)には、その性質に反しない限り、遺言に関する規定が準用されます(民法第554条)。遺言はいつでも撤回できる(民法第1022条)ため、死因贈与についても、たとえ書面によるものであっても、原則として贈与者はいつでも撤回(取消し)ができるというのが判例の立場です。ただし、負担付死因贈与において受贈者が既にその負担を履行しているなどの「特別の事情」がある場合は、撤回が制限されることがあります。</p>
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