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権利関係

2000年度 宅建士試験 問2

BのCに対する金銭債務を担保するため,A所有の土地に抵当権を 設定し、物上保証人となった。この場合,民法の規定及び判例によれば、次の記述 のうち誤っているものはどれか。
1Aは、この金銭債務の消滅時効を援用することができる。
2Aが、Cに対し、この金銭債務が存在することを時効期間の経過前に承認し た場合、当該債務の消滅時効の中断の効力が生じる。
3Bが、Cに対し、この金銭債務が存在することを時効期間の経過前に承認し た場合、Aは,当該債務の消滅時効の中断の効力を否定することができない。
4CからAに対する不動産競売の申立てがされた場合、競売開始決定の正本が Bに送達された時に、この金銭債務の消滅時効の中断の効力が生じる。

正解:2

解説

<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。民法第145条によれば、時効は「当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他正当な利益を有する者を含む。)」が援用することができます。物上保証人Aは、自らの土地の抵当権を消滅させるために債務の消滅について正当な利益を有しているため、Bの金銭債務の消滅時効を援用することが可能です。</p>

<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。時効の更新(中断)事由である「承認」は、原則として相対的な効力しか持ちません。物上保証人Aが債務を承認したとしても、それは抵当権の設定者としての行為にすぎず、主たる債務者Bの債務そのものの時効を更新させる効力はありません(最高裁昭和37年11月13日判決)。したがって、「当該債務の消滅時効の中断(更新)の効力が生じる」とする本肢は誤りです。</p>

<p><strong>選択肢3:</strong>正しい。主たる債務者Bが債務を承認した場合、その債務(被担保債権)の時効は更新されます。抵当権には附随性(主たる債務に従う性質)があるため、主たる債務者について時効が更新された場合、その効力は物上保証人Aにも及びます。そのため、Aは当該債務の時効更新の効力を否定することができず、抵当権の消滅を主張することもできません。</p>

<p><strong>選択肢4:</strong>正しい。抵当権者Cが物上保証人Aに対して不動産競売を申し立てた場合、その手続きによって主たる債務Bの時効を更新させるためには、債務者Bに対してその旨を通知する必要があります。判例(最高裁昭和50年9月22日判決)では、競売開始決定の正本が債務者Bに送達された時に、被担保債権(金銭債務)の時効更新の効力が生じるとされています。</p>

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