2000年度 宅建士試験 問7
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解。民法上、手付の額についての制限はなく、額が売買代金に比して僅少であったとしても、当事者間で解約手付として授受された以上、その約定は有効です。したがって、「効力を有しない」とする本肢は誤りです。なお、宅地建物取引業法では手付の額に制限(代金の2割以内)がありますが、本問は民法の規定及び判例を問うています。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>不正解。民法第557条第1項により、手付解除ができなくなるのは「相手方が契約の履行に着手した後」です。本肢のように、買主A(解除しようとする当事者)が履行に着手していても、相手方である売主Bが履行に着手していないのであれば、Aは手付を放棄して契約を解除することができます。判例においても、自らが履行に着手していても、相手方が着手するまでは解除可能とされています。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>不正解。民法第557条第2項により、手付解除が行われた場合には、民法第545条第4項(損害賠償の請求)の規定は適用されないと定められています。したがって、たとえBに実際の損害が生じており、それが手付の額を超えていたとしても、Bは損害賠償を請求することはできません。手付解除は、あらかじめ損害賠償のリスクを限定する機能も持っています。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正解。民法第557条第1項は、売主が手付解除をする場合、「その倍額を現実に提供して」解除しなければならないと規定しています。判例によれば、単に「倍額を支払う」と口頭で告げて受領を催告する(口頭の提供)だけでは足りず、相手方が直ちに受領できる状態で現金を提示する「現実の提供」が必要であるとされています(買主が受領を拒絶する姿勢が明確な場合は、供託まで行う必要はありませんが、提供自体は必要です)。</p>
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