2000年度 宅建士試験 問9
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。民法482条は、債務者が債権者との合意に基づき「他の給付をしたとき」に弁済と同一の効力を生じると定めています。不動産を代物弁済の目的とする場合、判例(最判昭39.11.26)によれば、単に引渡しを行うだけでは足りず、所有権移転登記手続を完了し、第三者に対する対抗要件を具備して初めて「給付」が完了したとみなされ、弁済の効力が生じます。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。代物弁済は、債権者と債務者の合意によって成立する契約です。本来の債務額(950万円)と代物弁済に充てる目的物の価格(1,000万円)に差がある場合でも、当事者間でその給付によって債務を消滅させる合意があれば有効に成立します。清算の取決めは代物弁済の成立要件ではありません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。代物弁済の目的とする「他の給付」の内容に特段の制限はなく、他者に対する債権を譲渡することも可能です。その債権の弁済期が到来している必要はなく、当事者間で合意し、債権譲渡の対抗要件を具備するなどの給付行為を完了すれば、代物弁済としての効力が生じます。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。代物弁済は、既存の債務を消滅させる代わりに他の財産権を移転させる「有償契約」の一種です。民法559条により、有償契約には売買の規定が準用されるため、引き渡された不動産に種類、品質又は数量に関して契約の内容と適合しない(隠れた瑕疵がある)場合には、債権者は債務者に対して契約不適合責任(追完請求、代金減額請求、契約解除、損害賠償請求)を追及することができます。</p>
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