2001年度 宅建士試験 問3
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正解。民法211条2項により、囲繞地通行権を有する者は、必要があるときは「通路を開設することができる」と定められています。この権利は、法律の規定に基づいて当然に発生する「法定の権利」であるため、囲繞地所有者の承諾(合意)を得る必要はありません。判例(最判昭36.2.21)においても、場所や方法が民法211条1項の要件(損害が最も少ないもの)を満たす限り、所有者の承諾なく自己の権利行使として通路を開設できるとされています。また、通常の囲繞地通行権では民法212条に基づき償金(代償)を支払う必要があります。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>不正解。囲繞地通行権は、土地が公道に通じていないという客観的な状態に基づき、法律上当然に認められる物権的な権利です。この権利の発生や行使は、袋地の所有権取得に伴う効果であるため、所有権移転登記を完了していなくても、現実に袋地の所有権を取得していれば囲繞地所有者に対して通行権を主張し、通路を開設することができます。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>不正解。民法213条1項は、土地の分割によって袋地が生じた場合、他の分割者の所有地のみを通行でき、その際の償金は不要であると定めています。しかし、本問の冒頭では「代償(償金)を支払う」ことを前提とした一般的な囲繞地通行権(民法210条)の状況が示されています。設問の前提状況が異なるため、特定の分割ケース(無償通行権)について断定しているこの選択肢は、本問の正解としては適切ではありません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>不正解。土地の一部譲渡(分筆して売却)によって袋地が生じた場合、民法213条2項の規定により、譲渡人はその残余地を通行することができます。この通行権は、残余地が第三者に売却された場合(特定承継)でも消滅しません。したがって、Dが残余地乙をEに売却した後であっても、AはEに対して通路の開設や通行を主張することができます。</p>
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