2002年度 宅建士試験 問15
不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1権利に関する登記の申請をするときは、申請人又はその代理人が登記所に出頭しなければならないので、郵送により登記申請をすることはできない。
2委任による登記申請の代理権は、本人の死亡によって消滅する。
3登記の申請は、登記権利者及び登記義務者が共同してするのが原則であるが,相続による登記は,登記権利者のみで申請することができる。
4登記権利者及び登記義務者が共同して申請することを要する登記について、登記義務者が申請に協力しない場合には、登記権利者が登記義務者に対し登記手続を求める旨の判決を得れば,その登記義務者の申請は要しない。
正解:2
法改正ポイント — 答えが「変わった」重要問題
出題当時(2002年)
肢2 が正解 ✓
現在(本試験の法令)
肢2(結論は同じ)
2005-03-07 不動産登記法全部改正(2005年施行)・出頭主義廃止
何が変わった:旧不動産登記法では登記申請に「出頭主義」が原則とされ郵送申請は認められていなかったが、2005年施行の現行不動産登記法18条により出頭主義が廃止され、オンライン申請または書面(郵送含む)提出のいずれかで申請できるようになった。
この問題への影響:肢a「郵送により登記申請をすることはできない」は2002年当時は正しい記述だったが、現行法では誤りとなる。正解の肢b(委任代理権は本人死亡で消滅しない)は現行法でも変わらず誤りであり正解番号は不変。ただし現行法では肢aも誤りとなるため、本問を現行法ベースで解くと「誤っているもの」が複数存在する状態となる点を注記する必要がある。
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解説
誤り。以前は登記所に直接出向く「出頭主義」が原則とされていましたが、現在は廃止されています。不動産登記法第18条において、登記の申請は「オンライン申請」または「書面(郵送を含む)を提出する方法」のいずれかで行うことができると規定されています。したがって、「郵送により登記申請をすることはできない」とする本肢は誤りです。
誤り(本問の正解)。委任による登記申請の代理権は、本人の死亡によって消滅しません(不動産登記令第17条)。民法の一般原則(第111条)では、代理権は本人の死亡によって消滅しますが、不動産登記においては、取引の安全と登記手続の継続性を確保するため、例外的に代理権が消滅しないものとされています。したがって、「本人の死亡によって消滅する」とする本肢は誤りです。
正しい。権利に関する登記の申請は、登記権利者(登記を得ることで利益を受ける者)と登記義務者(利益を失う者)が共同して行うのが原則です(不動産登記法第60条)。しかし、相続や法人の合併による権利移転の登記については、登記義務者が存在しない(または登記権利者と同一になる)ため、登記権利者が単独で申請することができます(不動産登記法第63条第2項)。
正しい。共同して申請すべき登記について、登記義務者が協力しない場合には、登記権利者は「登記手続をせよ」という内容の確定判決を得ることで、登記義務者の申請を要さず、単独で登記を申請することができます(不動産登記法第63条第1項)。判決により登記義務者の意思表示があったものとみなされるためです。
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