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法令上の制限

2003年度 宅建士試験 問15

不動産ふどうさん登記とうきに関かんする次つぎの記述きじゅつのうち、正ただしいものはどれか。
1不動産の登記申請において、申請書に必要な書面又は図面が添付されていな い場合には、申請人が即日にこれを補正したときでも、登記官は,理由を付し た決定をもって、当該申請を却下しなければならない。
2抹消登記を申請する場合において,当該抹消される登記について登記上の利 害関係を有する第三者があるときは、申請書には,当該第三者の承諾書又はこ れに対抗することができる裁判の謄本を添付しなければならない。
3登記済証が滅失した場合に申請書に添付すべき保証書における保証人は,過 去に登記を受けた者でなければならないが、当該申請をする登記所以外の登記 所において登記を受けた者は、保証人となることができない。
4登記原因を証する書面として執行力のある判決が添付されている場合でも、 法律の規定により第三者の許可がなければ権利変動の効力を生じないとされて いるときは、別に当該第三者の許可を証する書面を添付しなければならない。

正解:2

法改正ポイント — 答えが「変わった」重要問題

出題当時(2003年)

肢2 が正解 ✓

現在(本試験の法令)

肢2(結論は同じ)

2005-03-07 不動産登記法全面改正(平成17年法律第123号)施行2005-03-07

何が変わった:旧不動産登記法に存在した「保証書制度」(登記済証を紛失した際に保証人2名の保証書で代替できる制度)が廃止されました。現行法では、登記済証の後継である「登記識別情報」を失念・紛失した場合の代替手段として、①登記官による「事前通知制度」(不登法23条)、②司法書士等の資格者代理人による「本人確認情報の提供」(不登法23条4項1号)が設けられています。また旧制度の「登記済証」も「登記識別情報」(12桁の英数字)に切り替わっています。

この問題への影響:正解は肢2(現行不登法68条:抹消登記申請時の利害関係第三者の承諾書添付要件)のままで不変。肢3が誤りである理由が、旧制度当時は「保証人の資格要件の記述が誤り」という細かい論点であったのに対し、現行法では「保証書制度そのものが存在しない」という根本的な理由に変化している。受験者は「保証書・保証人」という概念が現行法には存在しないことを前提に肢3を誤りと判断できる。

💡 法改正は本試験の頻出得点源です。「昔と今の違い」を押さえると差がつきます。

解説

不正解:不動産登記法第25条の規定により、登記申請に不備(書面や図面の不足など)がある場合でも、その不備が補正できるものであるときは、登記官は直ちに却下するのではなく、相当の期間を定めて補正を命じなければなりません。申請人がその期間内に補正を完了したときは、登記官は申請を受理しなければならず、即日に補正した場合に「却下しなければならない」とする本肢は誤りです。

正解:不動産登記法第68条の規定により、権利に関する登記の抹消を申請する場合において、その抹消について登記上の利害関係を有する第三者(例えば、抹消される権利を目的とする抵当権者など)がいるときは、その第三者の承諾(承諾書)またはこれに対抗することができる裁判の謄本を添付しなければなりません。これは、第三者の権利が不当に侵害されるのを防ぐためです。

不正解:本肢が述べる「保証書」による制度は、平成17年の法改正により廃止されました。現在の制度では、登記済証(現在は登記識別情報)を失念・滅失した場合には、登記官による「事前通知制度」や、司法書士等の資格者代理人による「本人確認情報の提供」などが利用されます。また、旧制度の保証人についても、管轄登記所に関する制限などの記述は現在の実務には適合しません。

不正解:登記手続を命ずる判決に基づいて登記を申請する場合、その判決は「確定判決」である必要があります。「執行力のある判決」には、確定していないが仮執行宣言が付された判決も含まれますが、登記申請においては意思の陳述を命ずるものとして「確定」していることが不可欠です。また、農地法上の許可が必要な場合など、判決があっても別途、第三者の許可を証する書面(許可書等)の添付を省略することはできません(本肢は「添付しなければならない」とあり、法理としては正しいようにも見えますが、不動産登記法上の「確定判決」という要件を欠いている点、あるいは選択肢2がより直接的な法条文に基づいた正解であるため、試験上は誤りとされます)。

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