2004年度 宅建士試験 問5
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解です。10年の取得時効(民法162条2項)を主張するには、占有の開始時に「善意かつ無過失」である必要があります。占有の承継(民法187条1項)において、前の占有者の占有を併せて主張する場合、善意・無過失の判定は「最初の占有者の占有開始時(本肢ではBの開始時)」を基準とします。したがって、Bの開始時に善意・無過失であれば、承継人であるCが途中で悪意(真の所有者がBではないと知っている状態)になったとしても、10年の取得時効を主張できるのが原則的な解釈です。本問では選択肢3が正解とされているため、本肢は誤りとなります。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>不正解です。占有の承継人が前の占有者の占有を併せて主張する場合、その「瑕疵(かし)」も承継します(民法187条2項)。瑕疵とは、悪意や過失のことを指します。Bの占有に瑕疵(悪意または過失)がある場合、例えC自身が占有開始時に善意・無過失であったとしても、Bの瑕疵を引き継ぐことになります。この場合、10年の短縮された時効期間を適用することはできず、20年の占有期間が必要となります。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正解です。相続は「包括承継」であり、相続人は被相続人の占有の性質(態様)をそのまま引き継ぎます。Bが借地人(他主占有:所有の意思がない占有)であった場合、Cはその借地人の地位を相続するため、占有の性質も「他主占有」のままです。他主占有から自主占有(所有の意思がある占有)に転換するためには、所有者に対して所有の意思があることを表示するか、または「新たな権原」により占有を開始する必要があります(民法185条)。相続は新たな権原には当たらないため、単にCが「相続した」と誤信しているだけでは占有の性質は変わらず、所有権を時効取得することはありません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>不正解です。取得時効の成立(民法162条)には、20年(1項)であっても10年(2項)であっても、「所有の意思をもって」占有することが絶対的な要件となります。Cは「Bから土地を借りて」利用している借地人であり、その占有は「他主占有」に分類されます。他主占有者は、たとえ20年を超えて占有を継続したとしても、その土地の所有権を時効で取得することはできません。</p>
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