2006年度 宅建士試験 問5
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正解。民法第376条第1項に基づく「抵当権の順位の譲渡・放棄」に関する正しい記述です。配当総額3,000万円のうち、本来の配当額はBが2,400万円、Cが600万円(3,000万-2,400万)です。①順位の譲渡:BとCの合計配当枠(2,400万+600万=3,000万)の中で、譲受人CがBに優先して弁済を受けます。Cは債権全額1,600万円を受け取り、Bは残りの1,400万円を受け取ります。②順位の放棄:BとCの合計配当枠3,000万円を、両者の債権額の比率(B:2,400万:C:1,600万=3:2)で按分します。Bは3,000万×3/5=1,800万円、Cは3,000万×2/5=1,200万円となります。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。抵当権には「付随性」があり、被担保債権が完済されれば抵当権は消滅します。また、先順位の抵当権が消滅すると、後順位抵当権者の順位が繰り上がる「順位昇進の原則」があります。完済によってCの順位が第1位に昇進するため、AとBの間で抵当権を再利用(流用)することについて後順位抵当権者Cの同意がない限り、Cに対抗することはできません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。法定地上権(民法第388条)が成立するためには、「抵当権設定当時に、土地の上に建物が存在していること」が必要です。本肢のように、第1順位の抵当権者Bの設定当時に建物が築造されていなかった場合、たとえ後順位抵当権者Cの設定当時に建物が存在していたとしても、原則として法定地上権は成立しません。これは、更地として土地を評価したBの利益を害さないためです(判例)。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。抵当権設定登記後に締結された賃貸借契約は、抵当権者に対抗することができません。以前は「短期賃貸借保護制度」がありましたが現在は廃止されています。賃借人DがBに対抗するためには、抵当権者全員(BおよびC)の同意を得て、その同意を登記する必要があります(民法第387条)。本肢ではBの同意がないため、DはBに対して賃借権を対抗できず、2年間の期間内であっても退去を求められる可能性があります(ただし、競売後の明渡し猶予制度は別途存在します)。</p>
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