2007年度 宅建士試験 問12
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>選択肢1は正しい記述です。相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(熟慮期間)に、単純承認、限定承認、または相続放棄をしなければなりません(民法915条1項)。限定承認をする場合には相続人全員が共同で行う必要がありますが(民法923条)、各相続人がそれぞれの希望(承認・放棄等)をこの期間内に判断し、必要な手続きを行うべきであるという原則を示しています。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>選択肢2は正しい記述です。相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされます(民法921条1号:法定単純承認)。Bが所有していた財産の一部を売却する行為は「処分」に該当するため、C及びDは単純承認をしたものとみなされ、限定承認や放棄ができなくなります。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>選択肢3は誤りです。金銭債務のような可分債務は、相続開始と同時に法律上当然に分割され、各相続人がその相続分に応じて承継するのが原則です。しかし、民法902条の2によれば、相続債務の債権者(A)は、遺言等による「相続分の指定」がなされた場合であっても、それに関わらず各共同相続人(C・D)に対して「法定相続分」に応じて権利を行使することができます。本肢は単に「相続分に応じて承継する」としており、債権者が法定相続分による請求を行える点や、指定相続分による承継を承認できる点(同条但書)を無視して一律に承継されるとしているため、不適切(誤り)となります。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>選択肢4は正しい記述です。相続人の全員が相続放棄をした場合、相続人がいない状態となりますが、相続債権者Aは家庭裁判所に対して「相続財産清算人」(旧:相続財産管理人)の選任を請求することができます(民法952条)。選任された清算人が相続財産の管理・清算を行うことで、AはBの遺産から貸金債権の回収を図ることが可能となります。</p>
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