2007年度 宅建士試験 問6
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい記述。詐欺による取消しにおいて、取消しよりも「前」に現れた第三者に対しては第三者の善意・無過失が対抗要件となりますが(民法96条3項)、本肢のように取消し「後」に現れた第三者との関係は、二重譲渡と同様の対抗関係(民法177条)となります(最判昭42.4.20)。したがって、売主は取消しによる復帰的物権変動の登記をしなければ、取消後に不動産を取得して登記を経た第三者に所有権を対抗できません。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>正しい記述。契約の解除によって所有権が売主に復帰する場合、解除「後」に買主から不動産を取得した第三者との関係は、二重譲渡と同様の対抗関係(民法177条)として処理されます(最判昭35.11.29)。したがって、売主は解除による所有権の復帰(復帰的物権変動)を登記しなければ、解除後に所有権移転登記を経た第三者に所有権を対抗することができません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤りの記述。共同相続において、各相続人は自己の法定相続分については、特段の登記がなくても当然に第三者に対抗することができます(最判昭38.2.22)。本肢のように、他の相続人(兄)が勝手に単独所有の登記をして第三者に譲渡した場合でも、弟は自己の持分(2分の1)については、共同相続の登記なしに第三者に対抗できます。したがって、「登記をしなければ対抗できない」とする本肢の記述は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正しい記述。取得時効の完成「後」に旧所有者から不動産を取得して登記を経た第三者との関係は、時効取得者と第三者の対抗関係(民法177条)となります(最判昭33.8.28)。したがって、時効により所有権を取得した者は、登記を備えなければ、時効完成後に不動産を譲り受けて登記を経た第三者に所有権を対抗することができません。</p>
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