宅建合格ナビ2026
権利関係

2007年度 宅建士試験 問7

担保物権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1建物の建築工事の費用について、当該工事の施工を行った者が先取特権を行使するためには、あらかじめ、債務者である建築主との間で、先取特権の行使について合意しておく必要がある。
2建物の賃借人が賃貸人に対して造作買取代金債権を有している場合には、造作買取代金債権は建物に関して生じた債権であるので、賃借人はその債権の弁済を受けるまで、建物を留置することができる。
3質権は、占有の継続が第三者に対する対抗要件と定められているため、動産を目 的として質権を設定することはできるが、登記を対抗要件とする不動産を目的とし て質権を設定することはできない。
4借地人が所有するガソリンスタンド用店舗建物に抵当権を設定した場合、当該建物の従物である地下のタンクや洗車機が抵当権設定当時に存在していれば、抵当権の効力はこれらの従物に及ぶ。

正解:4

解説

<p><strong>選択肢1:</strong>誤り。不動産工事の先取特権は、法律の規定により当然に発生する「法定担保物権」です。したがって、行使にあたって債務者(建築主)との合意は不要です。なお、この先取特権の効力を保存するためには、工事を始める前に設計・施工・監理の費用の予算額を登記しておく必要があります(民法338条1項)。</p>

<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。留置権が成立するためには、債権が「その物に関して生じた(牽連性がある)」ものである必要があります(民法295条1項)。判例によれば、建物の賃借人の造作買取代金債権は、建物に付加された造作に関して生じた債権であって、建物自体に関して生じた債権ではないため、建物の留置権を主張することはできません(最判昭29.1.14)。</p>

<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。質権は、動産だけでなく不動産を目的とすることも可能です(民法356条)。不動産質権の場合、占有の移転が設定の要件となりますが、第三者に対する対抗要件は登記となります(民法177条)。</p>

<p><strong>選択肢4:</strong>正しい。抵当権の効力は、原則として抵当不動産に付加して一体となった物(付加一体物)に及びます(民法370条)。また、判例によれば、抵当権設定当時に存在した「従物(ガソリンスタンドの地下タンクや洗車機など)」についても、特段の事情がない限り、抵当権の効力が及ぶとされています(最判昭44.3.28)。</p>

同じ論点をもっと解く・AIチューターの解説を見るなら

無料登録してすべての過去問を解く