2007年度 宅建士試験 問9
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>指名債権が二重に譲渡され、確定日付のある各通知が同時に債務者に到達した場合、各譲受人は債務者に対し、それぞれ「全額」の弁済を請求することができます(最判昭55.3.7)。「債権金額基準で按分した金額の弁済請求しかできない」とする本肢の記述は誤りです。なお、債務者は譲受人の一人に対して全額の弁済をすれば、他の譲受人に対しても免責されます。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>預託金会員制ゴルフクラブの会員権は指名債権の性質を有しており、その譲渡を「債務者(ゴルフ場経営会社)以外の第三者」に対抗するためには、民法467条2項に基づき「確定日付のある証書」による通知または承諾が必要です。ゴルフ場側の規定に従った名義書換手続を完了したとしても、確定日付のある証書がなければ第三者には対抗できないため、本肢は誤りです(最判昭63.2.25)。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正しい。民法466条の6第1項において「債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない」と定められており、将来債権の譲渡が認められています。また、判例(最判平11.1.29)によれば、譲渡の目的となる債権が特定されていれば譲渡は有効であり、譲渡時に債権発生の可能性が低かったとしても、そのことのみで直ちに譲渡の効力が否定されるものではありません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>債権譲渡の「予約」を締結した事実を確定日付のある証書で通知したとしても、それは予約締結の事実を対抗できるにとどまり、予約完結権の行使によってなされた「実際の債権譲渡」そのものを第三者に対抗する要件(民法467条2項)を満たしたことにはなりません(最判昭52.1.27)。第三者に対抗するには、予約完結により実際に譲渡が行われた段階で、改めて確定日付のある通知等を行う必要があるため、本肢は誤りです。</p>
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