2009年度 宅建士試験 問12
正解:2
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい記述です。賃貸借においては、賃借人が無断で転貸した場合でも、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足らない特段の事情があるときは、賃貸人は契約を解除できないとするのが判例(背信行為論)です(民法612条2項の拡張解釈)。これに対し、無償の使用貸借は当事者間の強い信頼関係に基づいているため、借主は貸主の承諾なく第三者に借用物の使用・収益をさせることができず、これに違反した場合は貸主は直ちに契約を解除できます(民法594条2項、3項)。使用貸借には賃貸借のような背信行為論の適用は原則としてありません。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。賃貸借(B)については、借地借家法が適用されるため、期間の定めがない場合、貸主Aからの解約申入れには「正当な事由」が必要となります(借地借家法28条)。一方、使用貸借(C)について、本問では「適当な家屋に移るまで」という「使用及び収益の目的」が定められています。この場合、貸主Aがいつでも返還請求できるわけではなく、借主Cがその目的に従い使用及び収益を終えたとき(民法597条2項)、またはその目的に従い使用及び収益をするのに足りる期間を経過したとき(民法598条1項)に限り、返還を請求(解除)できます。目的も期間も定めていない場合に限り、いつでも返還請求が可能です(民法598条2項)。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正しい記述です。建物賃貸借においては、賃借人が建物の引渡しを受けていれば、その賃借権を第三者に対抗(主張)することができます(借地借家法31条1項)。したがって、Bは新所有者Dに賃借権を主張できます。これに対し、使用貸借には対抗力を認める規定がないため、借主Cが引渡しを受けて居住していても、新所有者Dに対して使用借権を主張することができず、Dからの明け渡し請求を拒めません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正しい記述です。賃貸借契約において、賃借人が死亡しても契約は終了せず、賃借権は相続の対象となります。一方、使用貸借契約は、特段の合意がない限り「借主の死亡によって終了する」と民法で規定されています(民法597条3項)。したがって、Cが死亡すれば使用貸借契約は終了し、その権利は相続されません。</p>
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