宅建合格ナビ2026
宅建業法

2010年度 宅建士試験 問39

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で 宅地の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定並 びに判例によれば、正しいものはどれか。
1当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を定めていない場合、 損害賠償の請求額は売買代金の額を超えてはならない。
2当事者の債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を売買代金の2割と し、違約金の額を売買代金の1割とする定めは、これらを合算した額が売買代金の3割を超 えていないことから有効である。
3Aが、当該売買契約の解除を行う場合は、Bに対して「手付の倍額を償還して、契約を解 除する。」という意思表示を書面で行うことのみをもって、契約を解除することができる。
4Aは、当該売買契約の締結日にBから手付金を受領し、翌日、Bから内金を受領した。そ の2日後、AがBに対して、手付の倍額を償還することにより契約解除の申出を行った場合、 Bは、契約の履行に着手しているとしてこれを拒むことができる。

正解:4

解説

<p><strong>選択肢1:</strong>不正解です。債務不履行を理由とする損害賠償額の予定(民法第420条)を定めていない場合、債権者は相手方の債務不履行によって生じた現実の損害を証明して請求することになります(民法第415条)。この請求額について、民法上も宅地建物取引業法上も「売買代金の額を超えてはならない」とする制限は存在しません。なお、損害賠償額の予定を定める場合には、宅地建物取引業法第38条により代金の2割を超えることが制限されますが、定めがない場合にはこの制限も適用されません。</p>

<p><strong>選択肢2:</strong>不正解です。宅地建物取引業者が自ら売主となり、宅地建物取引業者でない者が買主となる売買契約において、損害賠償の予定額と違約金の額を合算した額は、代金の額の10分の2(2割)を超えてはなりません(宅地建物取引業法第38条1項)。本肢では合算して3割となっており、2割を超える部分(1割分)が無効となります。したがって、「有効である」とする本肢は誤りです。</p>

<p><strong>選択肢3:</strong>不正解です。手付による解約(手付解約)において、売主であるAが契約を解除するためには、単に「倍額を償還する」という意思表示をしたり書面を送付したりするだけでは足りず、「手付の倍額を現実に提供」しなければなりません(民法第557条1項)。最高裁判例(最判昭27.6.20)でも、売主からの解約には現実の提供が必要とされています。</p>

<p><strong>選択肢4:</strong>正解です。手付解約ができるのは「相手方が契約の履行に着手するまで」の間です(民法第557条1項但書)。買主Bが「内金(代金の一部)」を支払ったことは、契約の履行に着手したことに該当します(最判昭29.1.21)。したがって、相手方(B)が既に履行に着手しているため、売主Aは手付の倍額を償還しても契約を解除することはできません。BはAの解除申出を拒むことができます。</p>

同じ論点をもっと解く・AIチューターの解説を見るなら

無料登録してすべての過去問を解く