2011年度 宅建士試験 問6
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。民法511条および判例(最判昭45.6.24:無制限説)によれば、差し押さえを受けた債権の第三債務者は、差し押さえ前に取得した債権であれば、自働債権(Bの債権)と受働債権(Aの賃料債権)の弁済期の先後を問わず、相殺適状に達した段階で相殺し、差押債権者に対抗することができます。本肢は「弁済期の先後にかかわらず」相殺できるとしているため、記述は正しいです。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。抵当権の物上代位による差押えに対し、賃借人が相殺をもって抵当権者に対抗するためには、自働債権を「抵当権設定登記の前後」に取得しているかが基準となります(最判平13.3.13)。本肢のように抵当権設定登記の「後」に取得した債権を自働債権とする相殺は、抵当権者Dに対抗することができません。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。敷金は、賃貸借終了後の目的物明渡しまでに生じる一切の債務(未払賃料等)を当然に担保するものです。この敷金充当による賃料債務の当然消滅は、抵当権の物上代位に優先します(最判平14.3.28)。したがって、Bは差押えにかかる賃料債務が敷金の充当によって消滅したことを抵当権者Eに対抗することができます。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。民法469条1項によれば、債務者Bは対抗要件具備時(AからBへの通知時)より「前」に取得した譲渡人Aに対する債権による相殺をもって、譲受人Fに対抗することができます。本肢は「通知時点以前に債権を有しており相殺適状になっていた」としているため、Bは通知後であってもその債権を自働債権として相殺を主張することが可能です。したがって、「相殺することはできない」とする本肢は誤りです。</p>
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