2012年度 宅建士試験 問12
正解:3
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。造作買取請求権(借地借家法第33条)は、借主に認められた権利ですが、これを行使できないとする特約を排除する規定(強行規定)は借地借家法に存在しません。そのため、普通建物賃貸借契約であっても、定期建物賃貸借契約であっても、造作買取請求権を放棄する特約は有効です(借地借家法第37条参照)。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>正しい。賃料増減請求権(借地借家法第32条)は、経済事情の変動により賃料が不相当になった場合に認められます。普通賃貸借では「不増額特約」は有効ですが「不減額特約」は無効です。一方、定期借家契約(第38条)においては、賃料の改定に関する特約(増額・減額いずれも含める特約)を定めた場合はその特約が優先されますが、本肢のように「賃料の改定についての特約が定められていない場合」は、第32条が適用されるため、いずれの契約でも将来に向かって増減を請求できます。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。普通建物賃貸借契約において「更新がない」とする特約は、借主に不利な特約として無効です(借地借家法第30条)。一方、定期建物賃貸借契約を成立させるためには、①公正証書等の書面による契約締結(第38条1項)だけでなく、②契約に先立って、更新がなく期間満了で終了する旨を記載した書面を「交付」して「説明」しなければなりません(第38条3項)。本肢は「交付さえしておけば」としており、契約締結自体の書面性や「説明」の要件が欠けているため、当該特約は有効とはならず、誤りです。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正しい。普通建物賃貸借契約では、期間を2年と定めた場合、中途解約できる旨の留保(特約)がない限り、賃借人は原則として期間満了まで借りる義務があります(民法第618条)。一方、定期建物賃貸借契約(居住用・床面積200㎡未満に限る)では、転勤、療養、親族の介護といった「やむを得ない事情」により生活の拠点として使用することが困難となったときは、中途解約の留保がなくても、賃借人は解約を申し入れることができます(借地借家法第38条4項)。本件は50㎡の居住用建物であるため、この規定が適用されます。</p>
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