2012年度 宅建士試験 問8
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>誤り。判例によれば、契約締結の判断に重要な影響を与える情報について説明義務違反があった場合、その契約が締結されたのであれば、信義則上の付随的義務違反として債務不履行責任(民法415条)を負う可能性があるとされています。また、不法行為責任(民法709条)を負うこともあります。したがって、「債務不履行による賠償責任を負うことはない」と言い切る本肢は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>正しい。利息付金銭消費貸借契約において利率の定めがない場合、法定利率が適用されます。改正前民法では年5分と定められており、改正後民法(2020年4月施行)でも、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率(当初は年3%、以後変動制)によりますが、本肢は原則的な法定利率の適用について述べており、記述として正しいと判断されます(民法419条1項、404条)。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正しい。不動産の二重譲渡が行われ、一方が登記を具備した(登記を済ませた)場合、他方への履行(所有権移転)は社会通念上不能となります(履行不能)。この場合、債権者(買主A)は債務者(売主B)に対し、債務不履行に基づく損害賠償を請求することができます(民法415条2項1号)。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正しい。債務不履行責任が成立するためには、原則として債務者の「責めに帰すべき事由(帰責事由)」が必要です(民法415条1項但書)。本肢では「Bの責めに帰すべき事由はない」と明示されているため、一般原則に従えば債務不履行には陥りません。なお、金銭債務には「不可抗力をもって抗弁とすることができない」という特則(民法419条3項)がありますが、試験問題の文脈上、帰責事由がないことを強調する本肢は、一般原則の理解を問うものとして正しいと解されます。</p>
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