2014年度 宅建士試験 問37
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>選択肢1は不正解です。本問題の記述ア、イ、ウはすべて誤りであり、正しいものは「一つ」ではないためです。アについては、報酬以外に請求できる広告代は「依頼者の依頼」に基づいたものに限定されており(昭和45年建設省告示第1552号第9)、依頼のない広告は契約成立に寄与しても請求できません。イについては、複数の業者が協力して売買を成立させた場合でも、業者全員が受け取れる報酬の合計額は、媒介報酬の限度額の2倍(代理の限度額)を超えてはなりません(同告示第14)。ウについては、居住用建物の賃貸借媒介において、業者全員が受け取れる報酬の合計額は借賃の1.1か月分(1.08は旧税率)が上限であり、双方から1.08か月分ずつ受けることは承諾があっても不可能です(同告示第4)。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>選択肢2は不正解です。本問題の記述ア、イ、ウはすべて誤りであるため、正しいものが「二つ」という事実は成立しません。個別の解説として、記述アは広告依頼の欠如、記述イは複数業者による報酬の合算制限(媒介報酬2倍ルール)への抵触、記述ウは居住用建物賃貸借における報酬総額制限(借賃1.1か月分ルール)への抵触により、いずれも宅地建物取引業法第46条に基づく報酬告示に違反する内容となっています。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>選択肢3は不正解です。本問題の記述ア、イ、ウはすべて誤りであり、正しい記述は「三つ(すべて)」ではないためです。記述アでは「依頼者の依頼なき広告料の請求」、記述イでは「代理と媒介を合わせた報酬合計額の超過(合計で媒介報酬の3倍相当を請求している点)」、記述ウでは「居住用建物賃貸借における双方からの報酬受領額の超過(合計で借賃の2.16か月分相当を請求している点)」がそれぞれ宅地建物取引業法および国土交通大臣の定める報酬告示に違反しています。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>選択肢4は正解です。記述ア、イ、ウのすべてが以下の通り誤りであるため、正しいものは「なし」となります。
ア:【誤り】宅建業者が報酬以外に受領できる金銭は、依頼者の依頼に基づいて行った広告の料金や、依頼者の特別な依頼による遠隔地への調査費用等に限られます(報酬告示第9)。本肢のように「依頼に基づくことなく」行った広告については、たとえ成約に寄与してもその料金を請求することはできません。
イ:【誤り】一つの取引に複数の業者が関与し、一方が代理、他方が媒介を行う場合、業者全員が受け取れる報酬の合計額は、媒介報酬の限度額の2倍(4,000万円の場合、(120万円+6万円)×1.1×2=277万2,000円。※設問の数値は8%換算)を超えてはなりません(報酬告示第14)。本肢ではAとBの合計が媒介報酬の3倍相当(136万800円×3)になっており、限度額を大幅に超過しています。
ウ:【誤り】居住用建物の賃貸借の媒介報酬は、貸主・借主の双方から受ける額の合計が借賃の1.1か月分(税込)以内でなければなりません(報酬告示第4)。また、承諾がある場合に一方から1.1か月分を受領することは可能ですが、双方からそれぞれ1.08(1.1)か月分ずつ受領することは、合計額が上限(1.1か月分)を超えるため認められません。</p>
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