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権利関係

2014年度 宅建士試験 問5

債権譲渡に関する次の1から4までの記述のうち、下記判決文によれば、正しい ものはどれか。
1債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権 者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるときに限り、債務者が当該譲渡は 無効である旨の主張をすることは許される。
2債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権 者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば、譲渡した債権者が当該譲渡は 無効である旨の主張をすることは許される。
3債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債務 者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば、譲渡した債権者が当該譲渡は 無効である旨の主張をすることは許される。
4債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権 譲渡禁止の特約は債務者の利益を保護するために付されるものであるので、債権者はいかな るときも当該譲渡が無効であることを主張することは許されない。

正解:3

解説

<p><strong>選択肢1:</strong>誤り。債権譲渡禁止特約(譲渡制限の意思表示)は、債務者の利益を保護するために付されるものです。判決文の趣旨および判例(最判昭43.7.19)によれば、特約に反して債権を譲渡した譲渡人(債権者)がその無効を主張することは許されません。債務者が無効(または履行拒絶)を主張できるかどうかは、譲渡人に無効を主張する意思があるか否かという点には依存しません。</p>

<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。譲渡人(債権者)は、自ら譲渡を行っておきながら、後になって特約違反を理由に譲渡の無効を主張することはできません。特約はあくまで債務者の保護を目的とするものであり、譲渡人自身の意思がどうあれ、譲渡人が無効を主張することは認められないというのが判例の立場です。</p>

<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。債務者に譲渡の無効を主張する意思がある場合であっても、譲渡人(債権者)が自ら譲渡の無効を主張することは許されません。譲渡禁止特約は債務者の利益のためのものであり、その主張権は債務者に帰属するため、譲渡人がこれを利用して譲渡を覆すことはできないとされています。</p>

<p><strong>選択肢4:</strong>正しい。債権譲渡禁止特約は債務者の利益を保護するために付されるものであるため、譲渡人(債権者)が特約違反を理由に譲渡の無効を主張することは許されないというのが判例(最判昭43.7.19)の確立した見解です。また、民法第466条第2項においても、「譲渡制限の意思表示がされたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない」と規定されており、譲渡自体は有効であることを前提としています。</p>

【法改正に関する補足】2020年(令和2年)4月1日施行の改正民法により、民法466条の規律が大きく転換されました。改正後は、譲渡制限の意思表示(旧・譲渡禁止特約)が付された債権の譲渡も「その効力を妨げられない」(466条2項)とされ、譲渡自体は有効です。債務者は譲受人に対して履行を拒絶し、かつ譲渡人に対してのみ弁済することができるに留まります(466条3項)。したがって、本問の選択肢が前提とする「譲渡は無効」という旧法下の枠組みおよびその主張者の範囲は、2026年現在の実定法としては直接適用されません。本問は最判昭43.7.19(旧民法下の判例)を題材とした出題であり、同判例の解釈問題として正解は選択肢3ですが、試験解答・実務いずれにおいても改正民法の新たな枠組みを踏まえた理解が必要です。

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