2014年度 宅建士試験 問8
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正しい。民法第724条第1号は、不法行為による損害賠償請求権の消滅時効の起算点を「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」と定めています。判例によれば、この「損害を知った時」とは、被害者が損害の発生を「現実に認識した時」を指すと解されています。したがって、単に損害が発生する可能性があることを知っただけでは足りず、現実に損害が生じたことを認識した時から時効が進行します。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金(利息債権の性質を持つ債権)は、一般の債権としての消滅時効の規定(民法第166条1項)が適用されます。改正民法により、債権は「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間」または「権利を行使することができる時から10年間」行使しないときに時効によって消滅します。通常、遅延損害金が発生したことはその時点で認識し得るため、発生から5年で消滅時効にかかることになります。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。判例によれば、建物の不法占拠のように加害行為が継続し、それによって日々損害が発生する場合、損害賠償請求権の消滅時効は、加害行為が終わった時から一括して進行するのではなく、「日々発生する損害ごとに、被害者がその損害及び加害者を知った時」からそれぞれ別個に進行するとされています。したがって、時効期間が経過した古い損害分から順次、時効によって消滅していきます。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。民法第724条第2号に定める「不法行為の時から20年間」という期間は、客観的な期間の経過によって権利を消滅させる消滅時効期間です。時効の完成猶予や更新の事由は民法に限定的に定められていますが、「加害者が海外に在住していること」は時効の進行を止める事由には含まれていません。したがって、加害者が海外にいても、不法行為の時から20年の期間は進行し続けます。</p>
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