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権利関係

2015年度 宅建士試験 問1

次つぎの記述きじゅつのうち、民法みんぽうの条文じょうぶんに規定きていされているものはどれか。
1債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使する ことができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する旨、
2事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約は、保証人になろうとする者 が、契約締結の日の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示し ていなければ無効となる旨
3併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨
4債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠 償の責任及びその額を定める旨

正解:4

法改正ポイント — 答えが「変わった」重要問題

出題当時(2015年)

肢4 が正解 ✓

現在(本試験の法令)

肢4 は不正解 ✗

2020-04-01 民法改正(債権法改正)

何が変わった:出題当時(平成27年4月1日時点)の民法には、人の生命・身体侵害による損害賠償請求権の20年消滅時効(現167条)、事業用貸金債務の保証における公正証書での意思確認(現465条の6)、併存的債務引受の契約による成立(現470条2項)のいずれも条文として規定されておらず、判例法理にとどまっていた。令和2年4月1日施行の債権法改正により、この3つの内容がいずれも新設条文として明文化された。

この問題への影響:肢1〜3(現167条・465条の6・470条2項)は改正により新たに民法の条文となったため、出題当時は『規定されていない』という理由で不正解だったが、現行法を基準にするといずれも『民法の条文に規定されている』に該当し、正しい記述に変わる。肢4(過失相殺・現418条)は出題当時から変わらず条文に規定されているため、現行法でも正しい。その結果、現行法を前提にすると4つの選択肢すべてが『条文に規定されている』に該当してしまい、単一の正解を選ばせる本問の設問構造自体が成立しない。

💡 法改正は本試験の頻出得点源です。「昔と今の違い」を押さえると差がつきます。

解説

【出題時点の確認】本問は平成27年度(2015年)本試験 問1です。宅建試験は試験実施年の4月1日時点で施行されている法令に基づいて出題されます。したがって本問は平成27年4月1日時点の民法を基準に、「内容として正しいか」ではなく「民法の条文に規定されているか」を判断します。

不正解:人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効を20年とする規定(現行民法第167条)は、平成29年成立・令和2年4月1日施行の債権法改正で新設されたものです。出題時点の民法に、この内容の条文は規定されていませんでした。

不正解:事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約について、契約締結の日前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示することを求める規定(現行民法第465条の6)も、同じ債権法改正で新設されたものです。出題時点の民法に、この内容の条文は規定されていませんでした。

不正解:併存的債務引受を債権者と引受人となる者との契約によってすることができるという規律(現行民法第470条第2項)は、出題時点では判例上認められていた法理にとどまり、条文としては規定されていませんでした。明文化されたのは同じ債権法改正によります。

正解:出題時点の民法第418条は「債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。」と規定しており、本肢はこの条文の文言そのものです(過失相殺)。4つの選択肢のうち、平成27年4月1日時点の民法に条文として規定されていたのは本肢だけであり、これが正解です。

法改正に関する注記

【現行法との関係・注意】その後の債権法改正(令和2年4月1日施行)により、選択肢1〜3の内容もいずれも民法の条文に規定されました。そのため現在の法令を前提にすると本問は問題として成立しません。出題時点の法令で解く趣旨の設問であることにご注意ください。

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