2015年度 宅建士試験 問10
正解:4
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解: 自筆証書遺言の加除その他の変更は、民法第968条第3項により、遺言者が「その場所を指示し」、「これを変更した旨を付記して特にこれに署名し」、かつ「その変更の場所に印を押さなければ」、その効力を生じないとされています。本肢のように「二重線を引いて押印するだけ」では、一部削除の効力は生じません。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>不正解: 判例(最判昭49.12.24)によれば、自筆証書遺言における押印は、必ずしも氏名の直下になされる必要はありません。遺言書と一体のものと認められるのであれば、封筒の封じ目になされた押印であっても有効とされています。したがって、「本文の自署名下に押印がなければ、有効となることはない」とする本肢は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>不正解: 民法第1013条第1項および第2項によれば、遺言執行者がある場合に相続人が相続財産を処分したときは、その処分行為は無効となります。ただし、第2項ただし書により「これをもって善意の第三者に対抗することができない」と定められています。これは「善意の第三者に対しては無効を主張できない(=有効として扱われる)」ことを意味しますが、悪意の第三者に対しては無効を対抗できるため、「第三者に対する関係では無効とならない」と一律に断定する本肢は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正解: 正しい。判例(最判平11.6.24)によれば、遺留分減殺請求(法改正後の遺留分侵害額請求に相当)により失効した贈与の受贈者は、贈与の時から目的物を占有していたとしても、その占有をもって遺留分権利者の権利を時効取得により消滅させることはできないとされています。受贈者は減殺請求を受けるまでは正当な所有者として占有しており、その占有は「他人の不動産を占有している」という時効取得の要件を満たさないためです。</p>
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