2015年度 宅建士試験 問12
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>正解。借地借家法第31条第1項により、建物の賃貸借は建物の引渡しがあれば第三者に対抗できる(登記不要)とされています。同法第30条(普通借家)および第38条第1項の趣旨(定期借家でも更新停止以外の保護は及ぶ)により、この対抗力に関する規定に反する特約で賃借人に不利なもの(登記がない限り対抗できないとする特約)は、いずれの契約においても強行規定違反として無効となります。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>誤り。借地借家法第32条第1項の規定では、賃料を「増額しない」旨の特約は賃借人に有利な内容であるため、普通借家契約において有効です(同条1項但書)。また、定期借家契約においては、第38条第9項により、賃料の改定(増減額)に関する特約がある場合は同法第32条が適用されないため、賃料を増額しない旨の特約は有効となります。したがって、いずれの契約においても「無効」とする本肢は誤りです。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>誤り。造作買取請求権(借地借家法第33条)に関する規定は、同法第37条において強行規定として指定されていません。そのため、賃借人に不利な「造作買取請求権を認めない」という特約は、普通借家契約においても定期借家契約においても有効です。定期借家だから有効で普通借家だから無効、という区別はありません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>誤り。期間の定めがある賃貸借契約において、中途解約権を留保しない(中途解約を認めない)旨の規定は、民法の原則通り有効です。そのため、普通借家契約においてこの規定が無効になることはありません。なお、定期借家契約のうち居住用建物(床面積200㎡未満)については、やむを得ない事情がある場合に賃借人からの解約権を認める強行規定(借地借家法第38条第5項)がありますが、本肢の「普通借家契約では無効」という記述は明らかに誤りです。</p>
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