2016年度 宅建士試験 問40
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>本店の移転により最寄りの供託所が変更した場合、宅地建物取引業者は、遅滞なく、移転後の本店の最寄りの供託所に新たに営業保証金を供託しなければなりません(宅地建物取引業法第30条の2第1項)。これは「二重供託」と呼ばれる手続きで、旧供託所からの取り戻し手続きの前に新供託所に供託する義務があります。受験生は、この「二重供託」の原則と、旧営業保証金を取り戻す際の公告手続きを混同しないよう注意が必要です。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>営業保証金が還付され不足が生じた場合、宅地建物取引業者(A)は不足額を供託した後、その旨を供託書の写しを添付して、免許権者(甲県知事)に「2週間以内」に届け出なければなりません(宅地建物取引業法第30条第3項)。選択肢の「30日以内」という期間は誤りです。宅建業法では様々な届出期間があり、この「2週間」という期間は特に間違えやすいポイントです。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>宅地建物取引業に関する取引により生じた債権の弁済を受ける権利は、供託されている営業保証金の「総額」を限度とします(宅地建物取引業法第27条第1項)。本問の場合、本店と支店合わせて1,500万円(本店1,000万円+支店500万円)が供託されているため、債権者は1,500万円を限度として弁済を受ける権利を有します。本店での取引だからといって、本店分の1,000万円のみが限度となるわけではありません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>本店移転により最寄りの供託所が変更し、従前の営業保証金を取り戻す場合、宅地建物取引業者は、還付を請求する権利を有する者に対し、一定期間(6ヶ月以上)内に申し出るべき旨を公告しなければなりません(宅地建物取引業法第30条の3第1項)。この記述自体は正しい手続きですが、選択肢1が本店移転時の「新たな供託義務」という直接的な義務を述べているのに対し、こちらは「旧営業保証金を取り戻す際の手続き」であり、本店移転時にまず行うべき義務ではありません。問題は「正しいものはどれか」であり、選択肢1がより直接的な義務を述べているため、そちらが正解となります。</p>
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