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権利関係

2017年度 宅建士試験 問5

Aは、中古自動車を売却するため、Bに売買の媒介を依頼し、報酬として売買代金の3%を支払うことを約した。Bの媒介によりAは当該自動車をCに 100 万円で売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1Bが報酬を得て売買の媒介を行っているので、CはAから当該自動車の引渡しを受ける前に、100 万円をAに支払わなければならない。
2当該自動車に隠れた瑕疵があった場合には、CはAに対しても、Bに対しても、瑕疵担保責任を追及することができる。
3売買契約が締結された際に、Cが解約手付として手付金 10 万円をAに支払っている場合には、Aはいつでも 20 万円を償還して売買契約を解除することができる。
4売買契約締結時には当該自動車がAの所有物ではなく、Aの父親の所有物であったとしても、AC間の売買契約は有効に成立する。

正解:4

法改正ポイント — 答えが「変わった」重要問題

出題当時(2017年)

肢4 が正解 ✓

現在(本試験の法令)

肢4(結論は同じ)

2020-04-01 民法改正(債権法改正):瑕疵担保責任→契約不適合責任

何が変わった:旧民法570条の「瑕疵担保責任」が廃止され、新民法562〜564条の「契約不適合責任」に改められた。①「隠れた」瑕疵という要件が不要になり、契約内容との不適合であれば足りる。②買主の救済手段として修補請求・代替物引渡請求・代金減額請求が明文化された。③短期権利行使期間(旧570条準用の旧566条3項:知った時から1年以内に権利行使)は「不適合を知った時から1年以内に通知」(新民法566条)に変更された(通知で足り、即時の権利行使は不要)。

この問題への影響:正解肢4(他人物売買:民法561条の有効性)は改正後も同条文・同趣旨で維持されており、正解番号4は不変。誤り肢bの「媒介業者Bは瑕疵担保責任を負わない」という理由づけも現行法下では「契約不適合責任を負わない」と読み替えれば同様に正しく、肢の正誤は変わらない。ただし解説中の用語は現行法では「契約不適合責任」を使うべき点に注意。

💡 法改正は本試験の頻出得点源です。「昔と今の違い」を押さえると差がつきます。

解説

誤り。売買契約において、当事者の一方は、相手方がその債務の履行(自動車の引渡し)を提供するまでは、自己の債務(代金の支払い)の履行を拒むことができます(民法533条:同時履行の抗弁権)。Bが媒介報酬を得ていることは、AC間の売買契約の履行順序に影響を与えるものではなく、特約がない限り「引渡し前」に支払う義務はありません。

誤り。売買の目的物が契約の内容と適合しない場合(隠れた瑕疵を含む契約不適合)に責任を負うのは、売買契約の当事者である売主Aです。媒介業者であるBは、売買契約の当事者ではないため、原則として瑕疵担保責任(契約不適合責任)を負いません。買主CがBに対して責任を追及できるのは、Bに不法行為や媒介契約上の債務不履行がある場合に限られます。

誤り。買主が売主に手付を交付したときは、売主はその倍額を現実に提供して契約を解除することができますが、これは「相手方が契約の履行に着手するまで」の間に限られます(民法557条1項)。本肢のように、履行の着手後であっても「いつでも」解除できるとする記述は誤りです。

正しい。他人の所有物(権利)を売買の対象とする契約は「他人物売買」と呼ばれ、民法上、有効に成立します(民法561条)。この場合、売主Aは所有者(本肢では父親)からその自動車の権利を取得して、買主Cに移転させる義務を負うことになります。

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