2018年度 宅建士試験 問8
正解:1
解説
<p><strong>選択肢1:</strong>不正解の選択肢:本肢は「どのように使用しても」「全て」賃料に含まれるとする点が誤りです。判決文では「賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる」通常損耗について、賃料の中に含ませて回収していると述べています。賃借人の故意・過失や、通常の使用方法に反するような異常な使用によって生じた損傷まで賃料に含まれているわけではありません。民法第621条においても、原状回復義務の対象から除外されるのは「通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに経年変化」に限定されており、それ以外の損傷については賃借人が原状回復義務を負います。</p>
<p><strong>選択肢2:</strong>正解の選択肢:本肢は正しい記述です。判決文の中で、通常損耗は「賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる賃貸物件の劣化又は価値の減少」を意味すると明示されています。これは民法第621条が原状回復義務の範囲から除外している「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗」の定義と合致するものです。</p>
<p><strong>選択肢3:</strong>正解の選択肢:本肢は正しい記述です。判決文では、賃借人に通常損耗の負担を負わせることは「予期しない特別の負担」を課すことになると指摘しています。そのため、同義務を課すためには「通常損耗補修特約が明確に合意されていることが必要」であるとしています。契約書に明記がなく、口頭の説明もない状況では「明確な合意」があるとは認められず、賃借人に義務を負わせることはできません。</p>
<p><strong>選択肢4:</strong>正解の選択肢:本肢は正しい記述です。民法第621条により、賃借人の原状回復義務の範囲からは「通常損耗」と「経年変化」が法律上明確に除外されています。したがって、単に「原状回復義務を負う」という包括的な文言が契約にあるだけでは、賃借人が通常損耗の補修費を負担する義務を負うことにはなりません。判決文が述べる通り、賃料とは別に通常損耗分を支払わせるには、具体的な特約の合意が必要です。</p>
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